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「ファミリア」の2倍の値段だった「ルーチェロータリークーペ」とは? ロータリーエンジンに未来を託したマツダの選択【国産名車グラフィティ】

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: 三浦正人(MZRacing)/日本自動車工業会

マツダ初のFFレイアウトで唯我独尊を貫く流麗クーペ

「ルーチェ」の名前は与えられているもののセダンとは似て非なるクーペ。全長もホイールベースも異なり、ボディパネルはもちろん、パワーユニットさえ共通する部分を持たない。しかも、その美しいフォルムは、マツダ社内の日本人デザイナーが作りあげたという。

社運をかけたロータリーエンジンへの挑戦

東洋工業を名乗っていたマツダは、今から60年以上も前にロータリーエンジンに興味を示し、1961年(昭和36年)7月に西ドイツ・NSU社を口説き落としてヴァンケル・ロータリーエンジンに関する技術提携の本契約を結んだ。マツダは自動車業界で生き残るために、未知のロータリーに賭けたのである。企業イメージを高めるためにも、ロータリーエンジンの実用化は悲願だった。

だが、ロータリーエンジン搭載車を発売するまでの道のりは遠く、開発中には多くの難題に苦しめられた。チャターマークと呼ばれるローターハウジング内壁面の波状磨耗は、その代表だ。しかし、その間にマツダは着々と業績を伸ばし、乗用車のバリエーションを増やしている。軽自動車のR360クーペとキャロルに続き、1964年秋にはファミリア800を、1966年8月にはミドルクラスにルーチェ1500を送り出した。

レシプロエンジンのラインナップが充実した1967年5月、マツダは社運をかけて開発した未来感覚のスポーツカー「コスモスポーツ」を正式発表している。世界で初めて2ローターのロータリーエンジンを積んだ量産車だ。パワーユニットは単室容積491㏄の10A型ロータリーで、これを2個並べて長いボンネットのなかに搭載した。

しかし、コスモスポーツは2人乗りのスポーツカー。実用性は低いし、高価だから乗れるのは一部の人だけに限定されてしまう。多くの人は新感覚のロータリーエンジンに興味を持ちながらも、ため息をついて諦めてしまった。

ところが、マツダは1970年代をロータリーエンジンの時代だと意気込み、回転フィールが滑らかでパワフルなロータリーエンジンを、モータリゼーションと絡め「ロータリゼーション」と名付けたスローガンを掲げて売っていこうという戦略を展開する。

その答えは、1967年秋に東京・晴海で開催された第14回東京モーターショーで披露された。マツダのブースには美しい2台のプロトタイプがスポットライトを浴び、展示されていた。1台はコンパクトサイズのスポーツクーペで、コードネームは「RX85」。もう1台はひとまわり大きいグランツーリスモで「RX87」と名乗った。「RX85」はのちのファミリアロータリークーペ、「RX87」はのちのルーチェロータリークーペとなる。

ファミリアロータリークーペは、翌1968年7月に正式デビューを果たしている。搭載するのは、コスモスポーツから譲り受けた10A型2ローター・ロータリー。これをディチューンして積んでいる。もう1台の「RX87」については沈黙を守っていたが、同年10月の第15回東京モーターショーには三角窓を取り去り、サイドウインドウをフルオープンに。黒いレザートップを張った進化版が「ルーチェロータリークーペ」の車名で姿を現した。 

それから1年後の1969年、ルーチェロータリークーペは正式発表にこぎつけている。ショーモデルでは明らかにされていなかったが、ロータリーエンジンは新設計だった。また、駆動方式は、なんと当時としては珍しい前輪駆動のFWDだったのである。このクラスFWDモデルは1970年代になると増えてくるが、1960年代は少数派。FRのルーチェ4ドアセダンと共通するところはなく、ほとんどが専用設計だったのだ。

グレードは「デラックス」と「スーパーデラックス」の2種類が用意され、ベースの「デラックス」でも145万円のプライスタグを付けている。ファミリアロータリークーペが2台買えるほど高価で、1972年秋に生産を打ち切った。

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