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昭和の「1000ドルカー」トヨタ「パブリカ」はなぜ売れた? バリエーション違いで人気に火がついた!【国産名車グラフィティ】

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: 木村博道/自動車工業会/AUTO MESSE WEB編集部

軽量ボディに697ccエンジン搭載リッターカーに迫る走りを実現

パブリカが搭載するエンジンは、U型と名付けられた強制空冷の水平対向2気筒OHVだ。ボア78.0mm×ストローク73.0mmで、総排気量は697ccになる。半球形燃焼室にクロスフローを組み合わせた軽量かつコンパクトなエンジンで、燃費もよかった。360ccの軽自動車より少し重い580kgのボディに約2倍の排気量だから余裕があり、1Lモデルと張り合っても負けていない。

圧縮比は7.3で、最高出力は28ps/4300rpm、最大トルクは5.4kgm/2800rpmだった。トランスミッションは、発売当初はコラムシフトの4速MTのみで、後にフロアシフトや2速ATのトヨグライドも追加設定する。ちなみに最高速度は110km/hだ。

1963年秋に仲間に加わったコンバーチブルは、SUツインキャブを装着したU-B型エンジンを搭載している。最高出力36ps/5000rpm、最大トルク5.7kgm/4000rpmの性能だから、4速フロアシフトを駆使しての走りが愉しい。最高速度は120km/hだ。セダンのエンジンも1964年秋にはパワーアップ(32ps)した。

トヨタスポーツ800の登場後は790ccの2U型エンジンの搭載がウワサされるようになった。その期待に応え、1966年4月にパブリカ800シリーズがベールを脱いでいる。エンジンはクランクシャフトを強化し、シリンダーフィンを大型化した2U-B型フラットツインだ。キャブレターも改良し、36ps/6.3kgmを達成している。

また、このときにフェイスリフトを行い、ホリゾンタル・ヘッドと呼ぶ端正なフロントマスクを採用し、リヤビューも一新。その1年後には4速MTをフルシンクロ化し、滑らかなシフト操作が可能となった。

サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーンにトーションバー、リヤはリーフスプリングを重ねたリジッドアクスルだ。シンプルだが、トレッドが広いこともあり、優れた路面追従性を見せた。その高い実力は、日本グランプリなどのレースにおいて上位を独占したことからもわかってもらえるだろう。ライバルを寄せつけない軽やかなフットワークとコーナーでの粘り腰は、軽やかに回るエンジンとともにパブリカの美点のひとつだ。

インテリアはシンプルに徹している。四角いメーターだけをドライバーの前に置き、つつましくモダンな雰囲気だ。スピードメーターには各ギヤの変速ポイントが刻まれ、オドメーターも装備する。

後期モデルやタコメーターなどを追加したスポーティグレードでは見栄えもよくなるが、基本は虚飾を廃したシンプルさが身上だ。トヨタはこのパブリカで多くのことを学び、のちに世界のベストセラーとなるカローラを成功に導いた。

パブリカ700(UP10)
●年式:1961
●全長×全幅×全高:3520mm×1415mm×1380mm
●ホイールベース:2130mm
●トレッド(F/R):1203/1160mm
●車両重量:580kg
●エンジン:U型空冷水平対向2気筒OHV
●総排気量:697cc
●最高出力:28ps/4300rpm
●最大トルク:5.4kgm(Nm)/2800rpm
●変速機:4速MT
●駆動方式:FR
●サスペンション(F/R):ダブルウイッシュボーン・トーションバー/半楕円リーフスプリング
●ブレーキ(F/ R):2リーディング/L&Tドラム
●タイヤ:6.00-12-4PR
●価格:38万9000円

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