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【高級セダンからスポーツカーまで】メルセデス・ベンツの歴代エポックメイキングな車種を全部お教えします!

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: メルセデス・ベンツAG/メルセデス・ベンツミュージアム/妻谷コレクション

戦後1951年に誕生したドイツ経済復興の象徴220/300

170シリーズ(170V/D/S)の生産が好調になるとともに6気筒エンジンも追加され、1951年春のフランクフルトショーに「220」と「300」が登場し、ドイツ経済の復興が著しく進んだことを示した。

220

とくに300は豪華な6ライト・リムジンで、115ps/4600rpmというスペックの直6 SOHCエンジンを搭載し、全長4950mmのいかにもドイツ車らしい頑丈なルックスを誇った。

この300リムジンが、じつは1950年代のメルセデス・ベンツのスターを生み出すベースモデルとなった重要な存在でもある。当時、西ドイツのアデナウアー首相が6台愛用していたので通称アデナウアーと呼ばれた。

1952年、まず戦前の540Kの再現を目指してダイムラー・ベンツ社は「300S」の2ドアクーペとカブリオレを造った。リムジンにも増して豪華な内装と装備で、当時8000マルクだった170Vに対してこの300Sクーペは3万4500マルクとまさに超ド級のパーソナルカーであった。エンジンは3個のソレックスで150psにチューン、1700kgを超える車重にもかかわらず、170km/h以上のスピードでクルージングが可能。この重厚なパーソナルカーと同時に、一方では本格派の超軽量スポーツカーの生産が計画されていた。

1954年の高性能軽量スポーツカー300SL

SL(ドイツ語でSuper Leicht)の名が与えられた高性能軽量スポーツカー「300SL」は、歴史上欠くことのできないスーパースターである。このプロトタイプは、先日紹介したレーシングカー編のとおりであるが、300SLプロダクションモデルは1954年に登場。フロントホイールアーチ後ろに大型のエアアウトレットが取り付けられるなど、ボディはより美しく改良を受けて世界のセレブたちに愛用された。

エンジンはキャブレーションからボッシュのダイレクト・インジェクションに変更された世界初のガソリン直噴エンジンで、215ps/5800rpmにチューンされた。なお、このエンジンは同時に先述の300Sにも採用されている。ファイナルは3.64、トップスピードは235km/h、価格は1954年当時2万4000マルクである。

室内は極めて豪華に仕上げられ、標準ではレーサーのようにチェックの布張りシート、またはオプションで本革張りも選択できた。リアの大きなラゲッジスペースには2点のトランクとストラップがオプションで用意され、その他ホイール・センターノックオフなどがオプションで装備できた。

ボディはプロトタイプのフロント総アルミから、ガルウイングドア、エンジンフード、トランクリッド以外はスチール製となった。1959年には、主にアメリカ向けとなるオープンバージョンを提供するため、ハードトップとキャンバス両方を持ったロードスターが登場している。1961年頃からは、これまでの大径のアルフィンドラムであったブレーキがフロントのみディスクに改良された。

300SLはガルウイングクーペが1954年8月から1957年5月まで1400台生産され、ロードスターは1957年2月から1962年まで1832台造られた。また300SLが限定生産だったため、アメリカへ手軽に輸出することを主眼として190SLが1955年から1962年まで、2万5577台生産された。

* * *

1950年代までの主なモデルを紹介した。後編では1960年代のモデルとSクラスの歴史などを紹介したい。

12
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  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。
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