内外装は新車時のコンビネーションのまま
1978年には、ポルシェはV型8気筒エンジンの排気量を4.6Lに拡大した「928 S」を発表。1986年には今回オークションに出品された928 S4が登場することになるが、こちらにはエクステリアのフェイスリフトとともに、再びエンジンの強化が行われている。5Lに排気量拡大された928 S4のエンジンは320psを発揮し、最高速はじつに260km/hを記録したとポルシェは発表している。
今回ザ・カレラ・オークションに出品された928 S4は、1970年7月に生産されたドイツ向け仕様。現在までの走行距離は6万8753kmで、ファクトリーカラーのスレートグレーメタリックのエクステリアカラーに、グレーのレザーインテリアという仕様も新車時そのままのコンビネーションだ。
さらにオプションで電気調整式シートヒーター、着色フロントガラス、パワーサンルーフなどが備わっている。オーナーズマニュアルや1990年までの整備記録が残る保証書、また純正ジャッキ、ツールキット、省スペースのスペアタイヤ、救急箱などももちろん使用感なく928 S4には搭載されている。
ポルシェは928シリーズの生産を1995年まで継続するが、それ以降同様のコンセプトを持つモデルの生産は行っていない。そのような事情もあるのだろう、今回の928 S4には応札が繰り返され、最終的な落札価格は2万8750ユーロ(邦貨換算約442万7500円)に落ち着いた。
ちなみに8月中旬にアメリカのカリフォルニア州モントレーで開催される同社の「モントレー・オークション」には、928の最終モデルである「928 GTS」が出品される予定。その落札を狙うカスタマーには、今回のリザルトはきわめて大きな参考になったに違いない。
































































