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ダイハツ「ミラ」を50万円かけてクラス変更! 30度を超える猛暑でも軽くベストタイムを1秒以上更新したチューニングの中身とは?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

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激戦の1クラスにステップアップしたドライバーに注目

シリーズがスタートした2011年はエキスパートクラス、翌年から1クラスと改称された東北660選手権の最高峰カテゴリー。エントリー台数こそ少ないものの改造範囲が一番広く、ドライバーも公認レースの経験者を中心とした猛者ばかりだ。そのなかで注目のドライバーを紹介しよう。

ノウハウを注ぎ込んだミラで戦いを挑む

2022年は3クラスと2クラスでチャンピオンを獲得した経験を持つ、細田駿也選手が満を持してステップアップしたのが記憶に新しい。そんな1クラスにまたひとり殴り込むドライバーが登場。昨年まで2クラスで戦っていた山形県の新関 透選手だ。

今シーズンの開幕戦はクルマが間に合わず欠場したが、第3戦にアップデートを終えたL275V型ダイハツ「ミラ」を持ち込んできた。車両の製作は今までと同じ「オートモディファイ・タク」で、代表の大塚 猛選手も長きにわたり1クラスにエントリーしている。

そんな姿や2クラス仕様との差を間近で見ていた新関選手、以前から「クルマもバトルも楽しそう」とは思っていたとのこと。2クラスに参戦して3シーズンが過ぎたこともあり、ひとつ上のステージへ進むことを決めたそうだ。

2クラスの車両と大きく異なるのは駆動系、すなわち機械式LSDとクロスミッション、またECUの書き換えが認められていること。1クラスは現在のところHA23型スズキ「アルト」が1台、他は「ミラ」や「エッセ」のダイハツ勢が占めている。ポイントになるのはギヤ比の選択だが、すべてのコーナーでピッタリ合うことはない。予選のタイムアタックや決勝のバトルでとくに有効と思われるコーナーを重視し、オートモディファイ・タクのノウハウを詰め込んだミッションができ上がった。

新関選手

LSDはスポーツランドSUGOに限った話だが、正直いってそこまで重要度は高くないとか。上りのヘアピンである4コーナー以外はLSD無しでもいいほどで、新関選手のマシンはATSのカーボンLSDでイニシャルトルクを弱めに設定した。

ECUはHKSのFコンVプロで現車セッティングし、レブリミットは9000rpmまで引き上げている。ただし常用は8000rpmで、それ以上の回転域はシフトアップするかそのままか悩むコーナー用で、特性もピークパワーより中間のトルクを重視した仕様だ。

1クラスへのマシン仕様変更費用はおよそ50万円から

実際に乗ってみた印象を聞くと「これぞまさにチューニングカーという感じで、速さはもちろん、運転していて楽しいです。まわりのドライバーも経験、年齢とも上の大先輩ばかり。自分自身のスキルアップにも繋がると思います」とのこと。

2クラスでのベストタイムは1分54秒9だったが、第3戦の前日練習であっさり1分53秒2を記録する。30℃を軽くオーバーする猛暑だったことを考えれば、いかにポテンシャルが高くなったか理解できるだろう。第3戦は予選が3位で決勝は師である大塚選手を抜いて2位、トップチェッカーの細田選手とも0.007秒という僅差だった。

2クラスから1クラスに変更するコストは、使うパーツにもよるがおおよそ50万円~。決して安い金額ではないがクルマとしての楽しさはダントツであり、他のカテゴリーを本気でやろうと思っても50万円では済まない。さらにレベルの高いドライバーと競い合うことで、ドライビングの引き出しも増えていく。2クラスや3クラスである程度の成績を残したり、逆にイマイチ伸び悩んでいるようなドライバーは、思い切って1クラスに進むのもひとつの手。期待の超新星である新関選手、今後の活躍をさらに期待したい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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