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約3千万円かけて1000馬力に! ABTチューンのアウディ「RS7スポーツバック」はレース用ガソリンが必要ってほんと?

約3千万円かけて1000馬力に! ABTチューンのアウディ「RS7スポーツバック」はレース用ガソリンが必要ってほんと?

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: ABT Sportsline GmbH

  • ABTのRS7レガシィ・エディション
  • アウディのRS7スポーツバックがベース
  • 赤いステッチが黒を基調としたインテリアに映える
  • ABT RS7 LEの特別な刺繍が入るシート
  • シフトレバーにもABTの名が入る
  • カーボンファイバーを惜しむことなく使用したインテリア
  • カーボンでスポーティな印象に
  • センターコンソールにはこのモデルの特別な刻印が入っている
  • マットにも赤のロゴでモデル名が刻まれている
  • ABT RS7レガシィ・エディションのエクステリア
  • ABT RS7レガシィ・エディションのリアビュー
  • 専用のフロントスプリッターを特装している。センターの赤いロゴがカッコイイ
  • カーボンファイバー製のボンネット
  • センターロック方式の22インチ径のホイールを履く
  • サイドダクトにはモデルのロゴが入っている
  • カーボンファイバー製のサイドスポイラー
  • サイドの赤いロゴが限定モデルの証。インパクトのあるリアウイングがダウンフォースを生み出す
  • 4本出しの102mm径ステンレススチール製マフラー
  • 4LのV型8気筒ツインターボエンジンを搭載する
  • 「IWI」と呼ばれるエンジンの2つのスロットルバルブの前に装備される水とエタノールの噴射システムが装着されている
  • エンジンにも限定モデルの証となるモデルロゴが入る
  • ABTのチューニングによって1000psまで出力を高められた
  • エンジンはABT独自のチューニングが施される
  • エンジン内部の構成部品も、その多くが新設計された
  • 圧縮比を低減させるための鍛造ピストン、強化コンロッドと強化ピストンピンなど、徹底したチューンアップがなされた
  • すべてのコンポーネントはエンジンベンチとサーキットで徹底的にテストされ、十分な検査を受けた後に出荷される
  • 長い伝統と、モータースポーツで培ったノウハウがエンジニアの手によって注入される
  • 1000psを発生させるには、ガソリンはレース用燃料並みのオクタン価102が必要となる
  • ABT RS7 LEの給油口
  • カーボンファイバーが多用され、スパルタンな印象のフロントマスク

レースのノウハウが活かされた限定車のアウディがABTから登場

主にアウディとフォルクスワーゲングループのブランドを取り扱い、フォーミュラEに参戦するなどモータースポーツ分野で活動を続けるドイツのABT Sportline(アプト・スポーツライン)から、「ABT RS7レガシィ・エディション」が登場した。200台のみが生産される限定車の詳細をお伝えしよう。

1000馬力を発揮するABTチューニング

ABT Sportlineは、ドイツのバイエルン州ケンプテンに拠点を置くモーターレースおよび自動車のチューニング会社で、120年以上の歴史を持つ。現在ではセアト・グループの新ブランドであるクプラとともに積極的なモータースポーツ活動を続け、そこで得た技術的なノウハウは、もちろん彼らが製作するチューニングモデルの開発に活かされ、カスタマーからこれまで高い評価を得てきた。

今回ABTから登場したモデルは、アウディ「RS7スポーツバック」をベースとしており、すでに販売が開始されているLE(レガシィ・エディション)となる。

その最大のセールスポイントはフロントに搭載される4LV型8気筒ツインターボエンジンだ。通常のレガシィ・エディションの最高出力は820psを発生させるが、さらにここから望むカスタマーにはABTチューニングの頂点ともいえる1000psの最高出力を誇るエンジンが与えられるという仕組みなのである。もっとも、通常モデルでもその運動性能に不満を感じるカスタマーなど、ごく一部であるはずだが。

レース用ガソリンで真価を発揮

それでは実際に、ABTはどのような手法を用いて180psのエクストラを得ることに成功したのだろうか。

実際にそのV型8気筒ツインターボエンジンを見ると、ターボエアインテークを拡大したカーボンインテークシステム、コンプレッサーホイールの拡大とベアリングの変更によるターボチャージャーの改良、圧力センサーを最大ブースト圧で4バールまでの設定に、フロントエプロンに大型エアインテークを備えたインタークーラーを新設、と次々にABT独自のチューニングが明らかになってくる。

だが、さらに最も重要なのは「IWI」と呼ばれるエンジンの2つのスロットルバルブの前に装備される水とエタノールの噴射システムだ。それによって吸気を大幅に冷却することを可能にするのである。

ただしガソリンはレース用燃料並みのオクタン価102が必要となる。通常のハイオクガソリンのオクタン価98では最高出力は940psに抑えられてしまうという。

エンジン内部の構成部品も、その多くが新設計されたものだ。圧縮比を低減させるための鍛造ピストン、強化コンロッドと強化ピストンピン、追加オイルクーラー、スポーツ触媒、コントロールユニットの処理等々、こちらも書き出せば終わりがない。そのすべてのコンポーネントはエンジンベンチとサーキットで徹底的にテストされ、十分な検査を受けた後に出荷されるということだ。

チューニング費用はベース車両本体価格を上まわる

ボディにフィットされる専用のフロントスプリッター、ボンネット、ディフューザー、リアウイングなどは、すべてカーボンファイバーで成型された独自のもので、ディフューザーの中からは4本出しの102mm径ステンレススチール製エグゾーストシステムの姿も確認できる。それがいかに獰猛でボリュームのあるサウンドを奏でるのかは想像に難くない。

ホイールはセンターロック方式の22インチ径を組み合わせる。

インテリアにもカーボンファイバーは惜しむことなく使用されている。このRS7レガシィ・エディションは200台のみが生産される限定車となっているが、その証拠にドアシルには「○/200」の文字がレタリングされたシリアルプレートが装着される。独自の刺繍を施したシートも標準装備のひとつのメニューだ。

問題は、やはりこのABT RS7 LEの価格だろう。ABTによれば、ドイツ本国ではベースのアウディRS7 スポーツバックが12万8000ユーロ。それに1000ps仕様のLEへチューニングするためABTに支払う金額が、20万5000ユーロに設定されているという。つまり合計の価格は33万3000ユーロ(邦貨換算約5265万円)。

速さはやはり、お金で買わなければいけないらしい。

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