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深夜妄想試乗:サソリのプワゾンで日常に刺激を! アバルト「695トリビュート131ラリー」で人生を謳歌しよう【AMWリレーインプレ】

深夜妄想試乗:サソリのプワゾンで日常に刺激を! アバルト「695トリビュート131ラリー」で人生を謳歌しよう【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)  PHOTO: AMW 西山嘉彦

  • ランボルギーニ「ウラカン テクニカ」(C)大子香山
  • マニュアルでシフト操作できるだけでも、今や貴重な存在
  • アルミ製ペダル
  • 街路灯の下で見るボディは、キャラクターラインがはっきり出て、抑揚に富んでいる
  • ピラーからルーフにかけてとサイド下部をブラックにすることで、車高を低く見せる効果がある
  • 縦に2連となったエクゾーストパイプ
  • 最高出力180ps、最大トルク230Nmを発揮する直列4気筒エンジン
  • 12段階に角度調節可能なリアスポイラー
  • トリビューとしている車両のシルエットがダッシュボードに
  • サソリマークのスイッチは、スポーツモードへの切替となる
  • 深夜の都心は、交通量が少ないのでストレスなく疾走ることができる
  • ホイールは専用デザインとなる17インチ
  • 目に入る部分にアルカンターラが多用されていて、見るからにレーシー
  • サベルト製のシートには、ABARTHのレターロゴ下に「TRIBUTO 131 RALLY」の文字とシルエットが入る
  • 695トリビュート131ラリーは、リアからの眺めがもっともやる気を感じさせる

皇居一周妄想インプレッション!?

AMW編集部員が気になる1台をリレー形式でインプレッション。撮影も編集者自らが行うことが前提となっている当企画のオーラスを担当するのは編集長西山なのですが、忙しすぎてキチンとインプレッションする暇がないため、ついに編集部の目と鼻の先にある皇居一周妄想インプレという暴挙に出ました。

ドライブは深夜の都心でも楽しめる

雑誌編集者という稼業をしていると、夜行性になってしまうのは仕方がない。さらに携わるジャンルがクルマとなると、午前零時過ぎの閑散とした都内の主要道路が馴染みとなる。新宿二丁目から広尾へ、碑文谷から西麻布へ、クルマで移動することはなんてことない。真夜中の都心は信号にこそつかまれど、渋滞とは無縁なのだ(工事渋滞を除く)。

そこで気がつくのが、平坦だと思っていた都心の道はアップダウンに富んでいて、クルマを走らせるのが面白いということ。ただ流しているだけで素晴らしく楽しいルートはたくさんあるのだけれども、周回するということにかけては、皇居一周にかなうルートはちょっと思いつかない。皇居ランナーの気持ちもよくわかる。

ということで、編集部員が今1番乗ってみたいクルマを選ぶことになっている今回のお題は、アバルト「695トリビュート131ラリー」。一週間で最低4人の編集部員が試乗と撮影を行う企画なので、昼間はデスクワークに追われる私は、どうしても深夜に試乗するしかない。そこで睡眠時間を削って試乗することになるのだが、編集部のある神田神保町から自宅までの道のりだけだと、メインとなるステージは首都高3号線と東名高速の2区間だけ。気持ちは帰宅モードに切り替わっているので、楽なクルマであればあるほどぴたりと気持ちに寄り添ってくれる。評価軸がそこに絞られるので、今回のようなクルマだと、ちょっと不利である。

そこで、以前ケータハムで深夜の都心を徘徊したように695トリビュート131ラリーを走らせてみようと思ったのだ。編集部の目と鼻の先には皇居をぐるりと一周するうってつけのコースがある。

名案とばかりにさっそくスタート地点を〈平川門〉の交差点にして、反時計回りに一周することにした。まずは交差点近くでパチリと撮影。

ボディカラーはメタリックのブルー。街路灯の下で見ると鏡餅のような曲線に、美しい陰影が現れる。ドアを開けてサベルトのシートに座る。ステアリングがテラスコピックだといいのにな、とは、いつもこの世代の500系アバルトに乗ると思うことだ。着座位置も少し高い。しかし、アバルトなら大男がステアリングに熊のように覆いかぶさるようなドライビングスタイルも、漫画チックで見ていて微笑ましい。

メタリックブルーといえば、今回の695トリビュート131ラリーの前の試乗は、ランボルギーニ「ウラカン テクニカ」であった。ウラカンも2013年のローンチの時から国際試乗会でドライブして、常に最新モデルをたっぷりと試乗してきた。その意味では500系アバルトも2011年あたりから常に触れてきたモデルだ。そしてともにモデルライフを終えようとしている。個人的にはどちらも思い出深い2台。

しかし、今回は695トリビュート131ラリーにとっては非常に分が悪い。とにかくウラカンテクニカが身体にしっくりきていただけに、評価がすこぶる高い。フラットな気持ちで695トリビュート131ラリーに対峙しようにも、どうしても比べてしまうものなのだ。シートポジションのちょっとしたことでさえも、気になってしまうほどに。

……と、いろいろなことを考えつつ、セミバケのシートに身を委ねると、なんだか心落ち着いてしまうのはクルマ好きの性であろう。念のため、ダイヤルを回して背もたれがどこまで倒れるかを確認する。こんなシートでも背もたれを倒せばしっかり寝れてしまうのは、自動車メディア編集者という職業病のせいかもしれない。

スポーツドライブ好きなら申し分なし

〈平川門〉のシグナルが青に変わる。T字を右に大きく旋回。のんびり走っていると、次の〈竹橋〉のシグナルが赤に変わってしまうので、勢いよく飛び出したままスピードを上げていく。100km/hくらいまで3速で引っ張る。左コーナーになっている〈竹橋〉の横断歩道は、日中は信号待ちの自転車が前輪を車道に出していることが多く、クリッピングポイントにつくことができないが、深夜なら大丈夫。きっちりインにつけてから立ち上がりで右車線へとラインを取る。ここから内堀通りに交わる〈千鳥ケ淵〉までの代官町通りが、タイトで個人的にもっとも楽しめる区間。ただしシグナルに捕まりさえしなければの話だが。

さて、500系アバルトは、どんどん過激にハードな味付けへと変化してきたと思うが、この695トリビュート131ラリーはここに極まれりというところか。正直に言って、普段乗りにするには扇情的すぎる。乗り手が走ることを目的としてドライブする時には忠実な猟犬のように寄り添ってくれるが、ただの移動手段として接する時は、躾の行き届いていない大型犬のように手に余る。

逆にこの日の夜のように、ただなんとなくドライバーズシートに座っただけでも、アバルトは構ってほしい若犬のように尻尾を振りながら飛び跳ね吠えたてて訴えかけてくる。犬好きなら喜んで戯れるだろうが、猫派ならウンザリかもしれない。要するにスポーツドライブ好きなら、少々疲れていても、そんな695トリビュート131ラリーはウェルカムなのである。

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