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「小さな巨人」に進撃された! 国産スポーツカー乗りの大和魂を駆逐したのはアバルト「695トリビュート131ラリー」でした【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 樋口佳子(HIGUCHI Yoshiko)  PHOTO: AMW 竹内耕太

  • WRCで活躍した「131 ラリー」をオマージュしているというから、そのツラ構えが違うアバルト「695 トリビュート 131 ラリー」
  • ラリー魂に心を捧げて出来上がったモデルというだけあって、そのフォルムにはどこか風格が漂う
  • サイズは全長3546mm、全幅1627mm、全高1488mmと、チビ……いや小柄な筆者にもぴったりなサイズ感
  • アルカンターラが使用されたレーシーなインテリアは、瀟洒(しょうしゃ)で洗練されている
  • 窮屈すぎずホールド感がちょうどいいシート。ヘッド部分には「131 ラリー」のシルエットがエンボス加工で刻まれている
  • 大人が座るにはキツいが狭いながらも後部座席があるというのは……悪くない。これだけで実用性は格段に違う
  • 5速MTで、インパネシフトになっている。シフトノブはコロンとして手に馴染むが、シフト位置が筆者には慣れずに苦手に感じ、唯一シフトフィールには不満が残った
  • 右ハンドル仕様車なのでブースト計がダッシュボード上に配置されている。ピョコンと載った様はカワイイが、視界に入ってしまい少々気になる
  • クラッチペダルは第一印象でちょっと重い……が、慣れると案外平気だった。脚力のない女性には渋滞がキツい
  • シートを倒して荷室を広く使うこともできるので……悪くない
  • 180psを発揮する4気筒ターボエンジンを搭載。真っ赤なエンジンヘッドカバーが「小さな巨人」の本性を覆い隠している
  • ブレンボ製のブレーキキャリパーを装着しているので思ったとおりに止まれ、硬めのペダルフィールが絶妙でいい
  • 「131 ラリー」のダックテールを再現した可動式リアウイング。12段階に調整が自由な翼を手に入れたアバルトは、目的地に向かって力強く進み続けるに違いない
  • スコーピオンボタンを押すと、エキゾーストノートも地鳴りのような野太い音に。外で聞いていた家族に言わせるとノーマルでも「めっちゃイイ音」だそう
  • サソリのエンブレムがアバルトの証。黒々とした毒々しいサソリと、陽気なイタリアンカラーが象徴するギャップこそが、このクルマの本質をあらわす鍵か
  • チビ……いや小柄なくせにパワフルな走りはまさに進撃する「小さな巨人」
  • ダックテールのカワイイ翼がついた小さな後ろ姿から、ときどき舐められそうになることも……。だが、その見た目に反した最強パワーの持ち主。そんなところにギャップ萌え必至だ

初体験のドライブは、イタリアの魅力にあふれていた

“紅一点”でAMW編集部のリレーインプレに今回から加わることになり、初参加でドライブするのはアバルト「695トリビュート131ラリー」。国産スポーツカー乗りの筆者にとってイタリア車といえばスーパーカーというイメージで、残念ながらドライブする機会には恵まれなかったため、今回がイタリア車の初ドライブということになる。そんな初体験記をお届けしよう。

想い出深いイタリア車たち

長らく国産車に乗ってきて、欧州車といえば少しばかりドイツ車をたしなんだ程度のクルマ歴の筆者にとってはイタリア車は憧れのスーパーカーというイメージ。庶民である筆者は残念ながらドライブする機会には恵まれなかったので、イタリア車の初ドライブがアバルトになったというわけだ。

その昔、スーパーカー界隈に少しだけ縁があって、知人が所有するフェラーリ「F40」を見せてもらったことがある。十数年前でさえプレミア価格がついていたその稀少な姿に感動したことを憶えている。その反面、フェラーリオーナーであるがゆえの名誉の苦労を目の当たりにして、もうそれだけでお腹いっぱいになってしまったのも事実。そんなこともあり、どちらかと言うと国産車万歳で落ち着いていた筆者のイタ車魂に火を点けたのが、忘れもしない2007年の東京モーターショーだ。「SLRマクラーレン ロードスター」が公開されていて、ナマで見て触れたSLRの素晴らしさに満足したあとでランボルギーニのブースに向かうと、そこには明らかにただならぬオーラをまとったスーパーカーが鎮座していた。それこそが「レヴェントン」で、一般公開日には姿を見せることがなかった幻のクルマだった。まさにステルス戦闘機のようなシルエットに圧倒され、再びイタ車沼に。

「小さな巨人」に進撃された筆者のマインド

そんなド派手なイタリア車にばかり目を奪われていた筆者なので、申し訳ないがフィアットやアバルトはまったく眼中にない存在だった。ましてすぐ壊れるというイメージが先行しているイタリア車を所有しようなどとは微塵も考えたことなどなかった。けれども今回初めてドライブしたアバルトのおかげで少し大袈裟ではあるものの、イタリアという国の自動車産業の根底にあるマインドに触れることができたような気がする。

ところで、恥ずかしながらアバルトに乗るまで「小さな巨人」という言葉がアバルトを指していることすら知らなかったほどだ。小さいくせに巨人とは? と、まったくピンと来ていない言葉だった。ところがである。なるほど、言い得て妙とはこのこと。自分の無知に恥じ入りつつ、小柄なくせにパワフルな走りはまさに「小さな巨人」そのもので完全に腑に落ちてしまったのだ。頭の中でアバルトのドライブフィールを反芻しながら、「そういうことか」とその走りの良さを再認識するに至った。あんなに可愛らしくて小洒落たフォルムとは裏腹に、クラッチを繋いだ瞬間からアバルトがまさしくスポーツカーなのだと思い知らされたのだった。

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