女性ペアで戦う
ラリーといえば、助手席で道案内などをするコ・ドライバーが必ず必要になります。私のコ・ドライバーとして1年間ペアを組んでくれたのは、もともとアイドルやレースクイーンなどもしていた槻島ももちゃんでした。ももちゃんと組むきっかけは以前、AMWで紹介していただきました。
モータースポーツは男性が多い業界ではありますが、私たちは女性ペアで戦っています。女性同士だと大変なんじゃないの? とかたまに聞かれることもありますが、ラリー中はツインルームで一緒に過ごすくらい仲良し。困ったらお互いになんでも相談して、プライベートでも助け合っています。(私が助けられてばかりな気がしなくもないですが)。
それに、陰キャラな私と、陽キャラなももちゃんのお互いのいいところ悪いところが補い合っていいバランスなのです。
2022年の夏頃から参戦準備を始め、メカニックの確保、車両製作、スポンサーとのやり取りなど、初めてのことだらけでしたが、たくさんの方のお力をお借りしながらなんとか初戦新城ラリー(2023年3月3日~5日)へエントリーが完了。残念なことに必要な部材の到着が遅れ自分の車両が完成せず、車両をお借りしての初戦となりました。緊張しすぎてSS1のスタート直前まで
「どどどどうしよう!!!!」
と大騒ぎでしたが、走りだしてしまえば緊張も少しずつ落ち着いてきて、無事完走。スイスポのスピード感に慣れていなくてノートの読み遅れもありましたが、すぐにアジャストしてくれてノートリーディングもいい感じ。しかし残念ながら日曜日の雨に翻弄され、結果は初戦クラス5位でのフィニッシュとなりました。
その後、ようやく自分の車両が完成。第3戦ツール・ド・九州in唐津(2023年4月14日~16日)でついにお披露目となりました。車両のカラーリングは痛車の施工をしているK-conceptDesignへデザイン・施工をお願いし、好きなゴスロリテイストにしてもらいました。赤チェックとフリル、そしてかっこよさもあるデザインがお気に入りです。
ホイールはOZ。でも実はまだ国内ラリーではあまり履いている人を見かけないんですよね。第3戦からヘルメットもCINQ PAINTでカラーリングしてもらい、車両カラーリングに合った黒×赤チェックなデザインに。ヘルメットもクルマもかわいいんです。
そんな色々と新しいもの尽くしの唐津ラウンドもまた雨が降り、土曜日の順位はかなり沈んでしまいました。日曜日は朝まで雨が降り、タイヤ選択が難しいなかレインタイヤを選び、クラス3番手タイムや2番手タイムも出て手ごたえの感じられる1戦となりました。
第4戦久万高原ラリー
その3週間後にはすぐに第4戦久万高原ラリー(2023年5月5日~7日)。そろそろ気持ちよくドライ路面を走りたいのに、またもや雨。しかも超大雨のラリーでした。
とんでもないどしゃ降りでハイドロが起きるようなコンディションの中、ちょっと泣きたくなりながらもめげずに走りきり、クラス3位。JN4クラスでの初表彰台です。どんなコンディションでも道の上を走ることが大切なんだなと改めて気づいたサバイバルなラリーでした……。
第5戦RALLY TANGO(2023年6月9日~11日)は地区戦のころから何度か走っているラリーで、走りごたえのある大好きなラリー。大好きなラリーだからこそ表彰台を目指したいところですが……。攻めの気持ちで選んだドライタイヤが、SSのある山に近づくにつれ雨が降ってきて大外れ。さらには日曜の午後にマシントラブルがありペースダウンせざるを得ない状況に……。何とか完走はできたのですが、初のマシントラブルでした。
異音がするけど何が原因か分からない。動きもおかしい……とリエゾンで足まわりチェックをしていると、周りのベテラン選手が沢山アドバイスしてくださり(ルール上、クルー以外はマシンに触れたり手助けしたりしてはいけないのです)ペースを落として走りきる、という選択ができました。すごく悔しかったですが、初めてのトラブルは私もコ・ドライバーのももちゃんにとっても大きな経験となりました。