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マツダ「サバンナRX−3」を寺田陽次郎ワークス仕様で再現! 打倒「ハコスカGT-R」に燃えるゼブラカラーがカッコよすぎ

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/佐藤正勝/宮越孝政/神村 聖

サバンナのスポーツキットはマツダが早々に用意

サバンナ(のレース仕様テスト車両)が初めてサーキットに持ち込まれたのはベースモデルが登場してから間もない1971年の9月半ば。やはり鈴鹿と富士にスポーツキットを組み込んだテスト車両がもちこまれていました。まだ本格的なチューニングが施される前で、スポーツキットを組み込んだだけでしたから、エンジンの最高出力は180ps前後(ベースモデルは105ps)でしたが、何よりも新車の登場から間もないタイミングでスポーツキットを揃えた辺りにマツダの“ヤル気”が感じられます。

またサバンナはベース車両で見た場合、ファミリア/ファミリアプレストに比べてホイールベースが50mm伸びて2310mmに、トレッドも前後でそれぞれ100mmずつ拡がって1300mm/1290mmとなったことで、随分と扱い易い性格になっていたようです。タイム的にはこの初テストでは鈴鹿で2分29秒台をマークしていますが、これはテストの少し前、8月のレースで長谷見昌弘選手がハードトップのGT-Rでマークした2分27秒4の約2秒落ち。

富士でもワークスGT-Rの1~2秒落ちで走っていましたが、その好タイムがマークできた要因としてテストを担当した片山義美選手は、エンジンパワーはワークスでチューンしていたファミリア/ファミリアプレストに比べると少し物足りないけれど、操縦性がよくなった分、早く走ることができたのでは、と分析していました。いずれにしてもサバンナの、初テストとしては上々の結果となっていました。

そんなサバンナの実戦デビューは1971年の10月に富士で開催された富士グラン・チャンピオン(GC)レースのシリーズ最終戦、富士マスターズ250kmのサポートレース、排気量が1300ccを超えるツーリングカーによるTC-Bレースで、1600cc以下がクラス I、1601cc以上は全てクラス IIとされていたからサバンナだけでなくカペラ ロータリークーペも、スカイライン ハードトップGT-Rと同じクラスとなっていました。

ロータリー軍団は片山義美、従野孝司、岡本安弘の3選手がカペラ ロータリークーペを、サバンナは寺田陽次郎と増田健基の両選手が、それぞれドライブし、プライベーターのファミリアプレスト ロータリークーペがサポートを受け持つ体制でした。主戦マシンは明らかにカペラだったのですが、ゼブラカラーにペイントされたサバンナの印象が強く、アピール度ではこちらの方が主役級となっていました。

一方、これを迎え撃つ日産ワークスは高橋国光、北野元、黒沢元治の3選手がスカイライン ハードトップGT-Rで参戦し、同じGT-Rで久保田洋史、杉崎直司らの有力プライベーターがこれを援護する格好で、まさに王者の日産と挑戦者のマツダが、“がっぷり四つ”の様相を呈していました。

レースは雨混じりの難しいコンディションとなり、車両の熟成が進んだGT-Rに有利な展開となっていきました。結果としては黒沢選手と高橋選手がランデブーの1-2フィニッシュ。ロータリー勢は片山選手がトップから1分近く遅れた3位で、さらに約30秒近く遅れてサバンナの寺田選手が4位でチェッカー。内容的にはGT-Rが圧勝となりましたが、これはまだまだプロローグ。

王者GT-Rに対するロータリー勢は着々と進化を遂げていき、この後一層厳しい戦いが繰り広げられ、やがては王座が逆転するのですが、このレースが先ずはその第1幕でした。今回登場したゼブラカラーのゼッケン12号車は、1973年式のサバンナをベースに、1971年のデビューレースで寺田選手がドライブ、4位入賞を果たしたモデルのサバンナGS IIを忠実に再現していました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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