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新生ロールス・ロイスのグッドウッド初生産車は2台の「グラビティーレーサー」だった! 世界最高峰のクルマの本当の話とは

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TEXT: AMW  PHOTO: ROLLS ROYCE/ABKCO © 2022

シルバーゴーストにインスパイアされたRR-0.02

RR-0.02は、1911年のロンドン・トゥ・エジンバラ・トライアルと1913年のアルパイン・トライアルで優勝し、ロールスロイスの「世界最高のクルマ」製作者としての地位を確固たるものにした、かつての「シルバーゴースト」にインスパイアされた。輝かしい先代モデルと同様、RR-0.02もスピードを念頭に置いて作られ、フォーミュラレーススタイルのステアリングラックと転がり抵抗を最小限に抑えるスリックチューブラータイヤが組み合わされている。

2002年のソープボックス・レースのスピード・チャレンジでは、イアン・キャメロンがチームを優勝に導き、最速レーサーに贈られるニュートン・アップル賞を獲得した。また、特に優秀なレーサーに与えられる賞「Merit of Excellence」を授与し、「グランド・ソープ・ワジール」の名誉称号も得た。

これらの歴史的な2台の車両は、ロールス・ロイス本社の熟練した次世代の職人たちによって、かつての栄光を取り戻すべく忠実に修復された。これにはRR-0.01のフロントグリルの複雑な修理と、RR-0.02のフロントスクリーンの手作業による交換などフルボディとメカニックの修復も含まれる。そしてノーサンプトンシャーのハントハウスにあるロールスロイス愛好家クラブの本部へと移送された。ここでこの2台は、ロールス・ロイスの新しい夜明けの幕開けを飾ってから20年以上経った今、同クラブの比類なき記録と記念品のコレクションに名を連ねて展示されるという。

AMWノミカタ

今年で120年の歴史を重ねるロールス・ロイスだが、その歴史の中には世にはあまり知られていないチャレンジにも挑戦してきたことがわかる。ロールス・ロイスがソープボックスレースに真剣に参加していたことも驚きだが、その歴史を若い世代に伝えるべく2台の車両を見習職人に修復させ、本社ではなく愛好家のクラブハウスに大事に展示することもとても好感が持てる。ラグジュアリーブランドが「ラグジュアリー」と言われる所以は、このような活動を大事にし、歴史・物語を積み重ねているからなのであろう。

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