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納屋物件の日産「ダットサントラック」を発見! 40年ぶりに復活したワンオーナー・フルノーマル・走行1万3300キロの奇跡の個体とは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • バンパーも凝った造りになっており、中央部分が尖っている。トラックの中で一番ハンサムなのかもしれない
  • いい時代のクルマなので、グリルのエンブレムもデザイン性が高い
  • 前後でサイズが異なるバイアスタイヤは往時のまま。DXの純正ホイールを装備
  • 奇跡の低走行車なので下まわりのコンディションも抜群だ
  • シングルキャブのJ15型エンジンは静かで、軽やかに回る
  • ベンチシートで3人乗りが可能。シートの状態もいい。ドアの内張りも新車のようだ。メーターは3連でスポーティ。ハンドルも純正だ
  • 天井も新車のようなキレイさを誇っており、このクルマの素性のよさを窺い知れる重要なパートのひとつ
  • 車内のこの位置に一輪挿しがあったらしく、そのまま残している。ティッシュも当時モノで、よく見たらスズキの初代アルトがデビューし、47万円(!)と書かれていた。往時の車検証入れも残っている
  • ボディは少しヤレているが、屋内保管されてきたため懐かしいステッカー類が美しい状態を保っている
  • 現役時に描かれた文字が横浜に棲息していたことを物語る
  • センスのいいステッカーは日産の工場をラインオフしたときに貼られたもの
  • 最大積載量が記されたステッカーも新車時から貼られている当時ものだ
  • 40年近く前に通っていたガソリンスタンドのステッカーも残っている
  • このロープも車両発見時に付属していたもので、その道のプロが見たら、おぉ~と思う巻き方らしい
  • 荷台のコンディションもよく、まだまだ活躍してくれる
  • ロングなので、引っ越しなどの際にも役立つはず
  • 1977年式の日産620型ダットサントラック1500 DX ロング

ノスタルジック2デイズに現れた620型「ダットラ」

パシフィコ横浜で2024年2月17日~18日に開催された「ノスタルジック2デイズ」は、旧車や絶版車を主役とした一大モーターショー。全国的に有名なスペシャルショップ、パーツメーカー、レストアのスペシャリストなどが出展し、車両展示とともに限定グッズ販売なども行っていました。そんな会場から、今回は40年ぶりに復活したという日産「ダットサントラック」、通称「ダットラ」を紹介します。

1984年が最後の車検でずっと休眠していたサバイバー

ノスタルジック2デイズ会場の中でもひと際目立っていたのが、スウィンギンモータース(SwingingMotors)のブースに展示されていたブルーのダットラだ。1977年式で、正式な車名を記すと日産「ダットサントラック1500 DX ロング」となる。老婆心ながら説明するとDXはデラックスのことで、ロングだけでなくショートもラインアップされていた。

スウィンギンモータースの横田代表によると、このダットラは1984年が最後の車検で、その後、長期にわたって休眠。昨年発見し、あまりにもキレイなので今回のノスタルジック2デイズで披露することにしたそうだ。

「知り合いの知り合いの整備工場が、この、ワンオーナー、フルノーマルのダットラを40年近く保管していました。走行距離が1万3300kmほどの未再生車なので、本当に驚くべきオリジナル度の高さです。まさに奇跡のサバイバー。長く保管されていたものが見つかったバーンファインドなので、タイムスリップしてきたかのようなコンディションです。FOR SALEなので、気軽にお問い合わせください」

整備工場に入れてすぐにエンジン絶好調に

ダットサントラックといえば、初代が1935年に登場した小型の商用車で、10代目にあたるD22型が2021年に生産終了となった。今回の1977年式は1972年に登場した7代目620型で、北米市場を強く意識したデザインを採用。ウイングラインと名付けられた大胆なキャラクターラインを持ち、商用車とは思えないスタイリッシュさを特徴としていた。

620型は日本ではバリバリのはたらくクルマとして活躍したが、文化が異なる北米ではカッコイイ自家用車としても使用されて大ヒット。性能や信頼性が高かったことから、小さな働き者を意味する「リル・ハスラー」と呼ばれ、620型を題材としたプラモデル(商品名:ダットサン ピックアップ リル・ハスラー)がリリースされるほどの人気車となった

「車検切れ状態で40年近く眠っていましたが、整備工場に入れた翌日に目が覚めました。低走行車なので、J15型のシングルキャブエンジンは当然絶好調。Nox/PM適合もできます。しっかり走るにあたって、ブレーキ、水まわり、燃料まわりをちゃんと整備しました。調子よく走ってくれます。僕はもともと家具屋だったので、実際に620型を使っていました。当時は畳屋さんなどでも活躍していましたね。本当に便利です。ロングなので、なんでも積めちゃう。バイクも運べますし、いいトランポになりますよ。純正ブルーがイカしてるでしょ。620型を本気で探していた人にオススメしたいです」

そのように話してくれた横田さんによると、このままの雰囲気で乗ってもらいたい、とのことだったので、「よくぞこの状態で残しておいてくれた」と感じた620型フリークには、もう二度とない出会いかもしれない。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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