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なぜクルマは「軽量化」すると運動性能が高くなる? 走りに効く原理とダイエット方法をお教えします

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: BMW/NISMO/BBS JAPAN/タナカヒデヒロ(TANAKA Hidehiro)/宮越孝政(MIYAKOSHI Masataka)/AMW

  • M4をベースとした世界限定50台の特別なモデル
  • ルーフやボンネットをはじめ、エクステリアにもカーボンを用いて軽量化が図られた
  • デモカーのトヨタ「GR86」は京都西陣で織ったデザインのあるカーボンを使用
  • MY24モデル。スペシャルエディションは、クリア塗装を施したNACAダクト付きニスモ専用カーボン製エンジンフードを装備
  • カーボン製のフロントディフューザー(27万8000円・税別)はグラム単位で軽量化にもこだわる
  • エアロパーツの形状もグループAのものに近しいデザインのカーボン製
  • エアロパーツの形状もグループAのものに近しいデザインのカーボン製
  • エンドレスオリジナルのR35中期型用カーボンインテークグリルも展示
  • edirb西陣カーボンシリーズは従来のホールド性能や安全性はそのままに、圧倒的な高級感と存在感を実現
  • 西陣カーボンのシリーズでは、ステアリングも参考出品された
  • 鉄のフレームを使い、全体は樹脂で作られたのが
  • BRIDEではフルバケットシートだけでなく、リクライニングタイプなど幅広い製品ラインナップを誇る。そのすべてに共通するのは、美しい着座姿勢を追求するフォルムと、日本国内製造にこだわった優れた品質だ
  • NISMOスポーツチタンマフラーを装着
  • マフラーはチタン製で、軽量化と性能アップに貢献
  • フルチタンマフラー
  • フルチタンマフラー
  • 中央を落とし込んだ迫力満点のコンケーブフェイス。スポークサイドの抉りは軽量化という本来の目的を果たしながら、陰影を付けディスクの表情に複雑さももたらしている
  • 独自のメッシュデザインにより、軽量・高剛性なレース用鋳造3ピースアルミホイールを完成させた
  • シャープな2×5のY字スポークの交点部にはウェイトレスホールが設けられている。確かな剛性を確保しながら軽量化も果たす、高度な解析技術の賜物だ
  • グループAにも装着されていた19インチ鍛造ホイールと合わせて足まわりの軽量化を実現
  • 高剛性と軽量化を両立させる専用のエンケイ製19インチアルミホイールを装着
  • 鍛造アルミホイールLMGT4を装着することで1台分あたり純正比約15kg軽量化
  • オクトパスレーシングと名付けられた旧車にベストマッチな変則8スポークのアルミホイール
  • LEDは基本的にはバルブ交換のみでOK
  • LEDのバルブはお尻の部分に冷却フィンなどが付いていて大きいため、取り付け場所を選ぶ
  • 少々高くてもしっかりと明るさと光軸が出るものを選ぶようにしたい
  • 力強く青白い光がHIDの特徴
  • ボンネット裏は軽量化のため、当然ながらむき出しのままとなる
  • デモカーのM3コンペティションには、カーボンボンネットを装着

軽量化の極意を解説

速くクルマを走らせるためのチューニングにおいて、まずは軽量化という視点があります。クルマは軽いほど運動能力が高いわけで、軽量化に勝るチューニングはないというわけです。そこで、クルマを軽くする方法について解説したいと思います。

軽量化するためには取り外すのか、置換するのか

「運動とは慣性に打ち勝つこと」。アイザック・ニュートン先生はそう断言している。そして慣性とは、物体の質量に比例する(運動3法則の第2法則:運動方程式F=ma)。要するに、クルマは軽ければ軽いほど、加速しやすく、ブレーキも利き、コーナーも曲がりやすいというわけである。

だから同じ機械なら、クルマは軽いほど運動能力が高いわけで、軽量化に勝るチューニングはない。というわけで、軽さは正義ということになり、軽量化は一番効率のいいチューニングであるのだが、クルマを軽くする方法には、大きく分けて2通りある。

ひとつは、元から付いているものを取っ払う方法。エアコンやパワステ、リアシート、内装などを外すスパルタンなやり方だ。効果は大きく、費用もかからないので、昔から軽量化の王道とされてきたが、快適性などはかなり犠牲になるので競技車両以外にはオススメできない。

もうひとつは、材料置換による軽量化。鉄などで出来ているパーツを、アルミやカーボン、チタンなど軽い素材で出来たパーツに交換するやり方。こちらはゴージャスダイエットで、クルマ好きが、アルミやカーボン、チタンといった言葉に敏感に反応するのは、これらが軽くて丈夫で高価であることを知っているから。

費用対効果を考えながら

F1マシンみたいに、モノコック本体をフルカーボンで作れば、運動能力は抜群に高まるが、それだと費用もバカ高くなってしまうので、車体全部に軽量パーツは使えない。

だから、ゴージャスダイエットはどこを材料置換するのかがとっても重要。お手本になるのはBMWの「CSL」(クーペ、スポーツ、ライトウェイト=軽量の略)。前後のバンパーをカーボン製にして、オーバーハングの重量を軽減。これでZ軸まわりの慣性モーメントが小さくなる。そしてカーボンルーフやアルミボンネット、軽量薄型ガラスなどを採用して、車体の重心より高い部分を軽量化。これでロールモーメントが小さくなる。

要するに同じ車重でも、車体の先端・末端が軽いほど、運動能力は高くなるので、ゴージャスダイエットをするなら、末端を狙うこと。

例えばマフラー。マフラーはオーバーハングに隠れているので、これをチタン製などに交換するとZ軸まわりのヨー慣性モーメントを小さくできる。あとはホイール。ホイールはとても大きい回転パーツなので、軽量化の効果が大。バネ下重量が軽くなるので、乗り心地や接地性もよくなる(バネ下重量1kgの軽減はバネ上重量15kgの軽量化に匹敵するといわれている)。またヘッドライトをパーツ点数の多いHIDからLEDにするのも、先端・末端の軽量化につながる。

単純な話、荷物を降ろしてダイエットしよう!?

重心を下げるという意味では、BMW CSLのカーボンルーフや、三菱「ランサーエボリューションVIII MR」のようにルーフパネルをアルミ化するのが理想だが、これはメーカーでなければ無理……。

同じく、エンジンブロックを鋳鉄からアルミにできれば、大きなパーツなので効果大だが、これはすでにメーカーが積極的に進めているところ。その他、カーボンボンネットやカーボントランクなら、予算が許せば一般ユーザーでも可能だろう。あとはシート。純正シートはけっこう重たいので、樹脂製のバケットシートに交換すると軽量化に貢献でき、ドライビングポジション、ホールド性も向上するのでオススメ。

もうひとつ肝心なのは、車内から無駄な荷物を降ろすこと。トランクの中に普段使わないレジャーグッズなどを積みっぱなしにしているのは、慣性を大きくして、クルマの運動能力を落とすだけで、燃費にも悪い影響が。そういう意味では、ドライバーの体重も影響するので、メタボ気味の人は、ドライバーのダイエットも検討しよう!?

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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