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E30「M3スポエボ」が4000万円オーバー! BMWファンならずとも注目するホモロゲモデルは価格上昇中です

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

スポエボの人気は絶対的? 相場はじりじりと上昇中

BMW M3スポーツ エボリューションの生産台数については、FIAのES規約が指定した最小台数の500台ほか諸説あるとのことながら、RMサザビーズ社のカタログでは1989年12月から1990年3月にかけて600台が生産されたという説をとっている。

今回RMサザビーズ「MIAMI 2024」オークションに出品された個体は、M3スポーツ エボリューションとしてはデフォルトだった「ジェット・ブラック」のボディカラーに、ブラック/アンスラサイト(濃灰色)の「BMWモータースポーツ」仕様のファブリック製インテリアを組み合わせている。

一連の「エボリューション」エディションと同じく、ミュンヘン郊外ガルヒンクの「BMW M」部門ファクトリーからラインオフ。1990年4月に、英国のカスタマーに新車として納車されたのち、34年後の現在に至るまでの歴代オーナーは3人。いずれも几帳面なケアを施してきたとのことである。

この個体は、希少なホモロゲーションスペシャルである「スポーツ エボリューション」市販車のなかでも、とくに仕様の整えられたもので、パワーウインドウやエアコンディショナー、ヘッドライトウォッシャーなど、当時はオプションだった装備を贅沢にセレクトしている。

くわえて特徴的な赤いシートベルトや、シートのボルスター部分にステアリングホイール、ハンドブレーキレバーのスウェードトリミングは、カタログ作成時の走行距離にしてわずか2万6683マイル(約4万2700km)という少なめなマイレージに見合った、適切なコンディションで維持されている。

E30世代M3のファイナルバージョンでもあるM3スポーツ エボリューションは、もとよりホモロゲーションスペシャルとして高い人気を誇っている初代M3でも格別のモデル。一般向けに市販されたのはわずか500台という希少価値も加わって、このBMWモータースポーツの最高傑作のひとつを購入できる機会は決して多くはない。

そんな自信たっぷりのコメントとともに、RMサザビーズ北米本社は出品者である現オーナーとの協議の結果として、25万ドル~28万ドルというエスティメート(推定落札価格)を設定。

そして迎えたオークション当時の競売では、売り手側のもくろみどおりにビッド(入札)が進み、最終的には26万8800ドル、現在の為替レートで邦貨換算すると約4080万円で落札されるに至ったのだ。

ちなみに2023年5月、同じRMサザビーズの欧州本社が開催した「Villa Erba」オークションにおいて、比較的近い条件のM3スポーツ エボリューションが21万2750ユーロ、当時の日本円に換算すれば約3260万円で落札されているのだが、米ドルとユーロの為替の違いを考慮しても、このモデルの国際マーケット相場価格は上昇傾向にあるかと思われる。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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