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驚きの3億4700万円! 奇跡の個体「911 カレラRS 3.0」はかつて日本にあった…たった55台生産されたなかでオリジナル度の高さはピカイチ

驚きの3億4700万円! 奇跡の個体「911 カレラRS 3.0」はかつて日本にあった…たった55台生産されたなかでオリジナル度の高さはピカイチ

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

もっともオリジナル度の高い個体のひとつ

新車から数えて4代目となったアメリカの新オーナーは、クラッチやリアショックアブソーバーを交換するなど、ドライビングイベントをより楽しむための対策を施した。またこのクルマに関する資料を補強するため、彼はストッダード氏と連絡を取り、ポルシェ本社における興味深いデモ走行履歴の数々を発見し、歴代オーナーの連鎖を確認した。

そして2012年1月には、有名どころのクラシックカーイベント参加に必要とされることの多い「FIVAパスポート」を申請したのち、フランス縦断2500kmを旅する有名な「トゥール・オート・ラリー」にエントリー。ぶじ走行を終えた911は、イギリスのポルシェ・スペシャリストに引き渡され、メカニカル部のリフレッシュが施された。

そしてこのカレラRS 3.0は、新車から5人目のオーナーとなる有名なポルシェ蒐集家の「ホワイトコレクション」に、2017年から組み入れられることになる。ホワイトコレクションに収蔵されている間には、ボディペイントやリムを純正使用のまま修正するなど、保存に重点を置いた入念なメンテナンスが施された。また、付属のポルシェ鑑定書に初回納車時から装着されていたことが記載されている、純正のピレリ社製タイヤも残されているというが、これはコンクール出品時に履き替えるたぐいのものだろう。

ともあれ、コンディションはすべてにわたって素晴らしいもので、カタログ掲載時の走行距離はわずか2万9453km。この限られたロードユーズの歴史と、サーキットにおける本気のレースには出走していないこと。そしてナンバーズマッチのエンジンとギアボックスの存在により、現存するカレラRS 3.0の中でも、もっとも保存状態の良い1台であることは間違いないとのことであった。

3億4000万円オーバーで落札!

1974年式911 カレラRS 3.0は、その希少性から市場に出回ることはあまりなく、これほどまでにオリジナルなコンディションで、これほどまでに魅力的なヒストリーを持つ個体はさらに稀と思われる。

この稀有な911 カレラRS 3.0のオークション出品に際して、RMサザビーズは140万ドル~170万ドル(邦貨換算約2億720万円〜2億5160万円)という、ナナサンカレラRSでももっとも評価の高い「ライトウェイト」の相場価格にも匹敵するエスティメート(推定落札価格)を設定した。

しかし実際の競売では予想以上にビッド(入札)が進み、最終的には239万ドル。すなわち、日本円に換算すれば邦貨換算約3億4700万円という驚くべき価格で、競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。
蛇足ながら、日本国内に生息歴のあるポルシェ 911 カレラRS 3.0といえば、前世紀後半に「クラシックの帝王」と呼ばれた世界的指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンの愛車だったという、赤いボディにゴールドのグラフィックの入った個体を思い浮かべるポルシェ愛好家も多いかもしれない。

2017年にフランスのコンクール・デレガンスに出展されたことが確認されているが、もしもあの個体が2024年のオークションに出品されたならば、果たしていかなる評価を受けるのだろうか……? いちカーマニアとして、あるいはクラシック音楽ファンとしても好奇心の尽きない筆者なのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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