ファーストオーナーはモナコ公国のアルベール王子
ちなみに新車当時のこのモデル(シリアルナンバー:24821)の仕様は、ビアンコ・ポロのボディカラーにベッレ・ブルーのインテリアという、やや型破りなもの。もちろんそれを希望したカスタマーも最高級のステータスにある人物だった。フェラーリのブランド専門家であるギヨーム・コグネ氏によれば、その人物はモナコ公国のアルベール王子。その時代このモデルには「M001MC」のライセンスナンバーが掲げられていたということだ。
この308GTSはその後、南フランスのドレスメーカーに引き取られ、1983年には著名なカーコレクター、マルセル・プティジャンによって購入された。プティジャンはじつに40年以上にわたってこのシリアルナンバー「24821」を所有し続け、2022年に今回の出品者へと売却。オークションの直前にはインテリアのレザーカラーをボディカラーと良くマッチングするホワイト系で再仕上げするなどの、最終的な化粧直しが行われている。
エスティメートを下回る落札価格の理由とは
ただし長年静態保存されてきたこの308GTSは、走行前には十分なメカニカルな部分での整備が必要であることもまた事実であると、RMサザビーズはコメント。落札価格は当然その費用を考えてということになるのだが、RMサザビーズは7万ドル~8万ドル(邦貨換算約1048万円~1198万円)のエスティメート(予想落札価格)を提示。
しかしながら落札価格は5万600ドル(邦貨換算約757万円)という数字を示したまま、それ以上の入札が入ることはなかった。やはり実走行のためには、これからさらなる投資が必要になることが、その最大の理由であったのだろうか。過去のオーナーがどれほど有名な人物であっても、クルマはやはり動いてこそ価値のある商品ということが再確認できたオークションだった。参考までに現在までの走行距離は5万9820km。本格的なレストア志向をお持ちの方には、おすすめしたい1台である。













































































