フェイス交換で実現したハッチバックのホンダ ドマーニ
バブル期前後のホンダには、「シビック」や「アコード」といった今でも受け継がれる人気車以外にも、さまざまな車種が生産されました。1992年に登場した「ドマーニ」は、「シビックフェリオ」をベースとした小型セダンでしたが、2世代で消滅。今や忘れられた存在になっていますが、今回紹介する車両はその「ドマーニ」のフロントまわりを完全移植した6代目「シビック」です。正規車としては存在しなかったドマーニのハッチバックスタイルをご覧ください。
VTEC搭載のマニュアル車探しからスタート
ホンダ2代目MB型「ドマーニ」の顔を移植した、6代EK型「シビック」のオーナーの“こうき”さん。2024年9月15日に福岡県北九州市で開催された屋内カスタムイベント「C.C.C Create a Car Culture」にこの愛車で参加し、ホンダ車ベースのアメリカンスタイルのお手本ともいえる、速さと美しさを両立させたカスタムをチームメンバーや友人とともに展示していた。
「以前は4代目RB3型ホンダ オデッセイに乗っていたのですが、いつかシビックに乗り換えたいと考えていました。理想は、VTECエンジンを積んだミッション車。この条件がクリアできれば、EF、EG、EK、なんでもいいと思っていました」
そんな時に、地元のカーショップにこのEK4型のシビック SiRが置いてあったのだそうだ。値段の掲示はなし。そもそも売り物かどうかも分からないまま、長期間置いてある。意を決して値段を聞きに行ったところ、販売車であることが判明。しかもラッキーなことに、当時としては買いやすい価格設定だったのも、“こうき”さんにとっては幸いした。こうして約4年前にこの個体を入手し、少しずつこのスタイルへと変貌させていったのだった。
Instagramで見た海外のドマーニ顔シビックに憧れて
このドマーニフェイスを取り入れることになったきっかけは、Instagramで見た海外のシビック乗りのカスタムスタイルだった。
「日本ではまだ見かけないスタイルだったんです。これはすぐにでもやるしかないと思ってパーツを探し始めたら、偶然にも早いタイミングで必要なパーツ一式を見つけることができたのです」
ヘッドライトなどの顔まわり、ボンネット、フェンダー、バンパー、グリルなど、メルカリで見つけたそれら構成部品一式を使って、自らの手でフェイススワップを敢行。一部ステーが異なっていたが、それを切断したぐらいで大掛かりな加工はなし。2代目ドマーニは、シビックフェリオをベースに前後の外装と内装の一部を変えただけの姉妹車だったため、約2時間で完成させた。
エンジンルーム内をワイヤータック化(エンジンをより美しく見せるために、配線や配管を目立たなく見せる手法)したり、ホイールはBBSのRSをリバレルした懐かしのプリマドンナ仕様にしたりとこだわりが満載。アメリカンスタイルのシビックに憧れる日本人オーナーは多いが、“こうき”さんのドマーニ顔シビックは、同じシビック好きのなかでも、かなり目立つ1台へと仕上がっていた。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)