2023年から約1000人の新規従業員が加わった
また、2025年初めに導入された新しい労働協約で、就業時間の再編成によりワークライフバランスが大幅に改善された。これには、生産部門における週4日勤務と5日勤務の交代制など柔軟なスケジュールや、オフィス勤務者については月に最大12日間のリモート勤務を可能にするなど、リモート勤務のサポート強化が含まれている。さらに育児休暇中の経済的給付の増額、ひとり親や障がい児を世話をしている従業員には最大100%の給付金を支給するなど、子育て支援策も導入された。
同社は過去2年間で、約1000人の新規従業員を迎え入れ、2024年だけでも600人以上が加わった。これは、外部環境が良好であったことも後押しした結果である。これらの新規採用者はチームを強化し、会社の成長を支え、組織を豊かにするポジティブな文化交流を促進した。会社の価値観に沿った新しい体系的なオンボーディングプログラムにより、新規チームメンバーは迅速に溶け込むことができ、多様な経験や視点の共有が奨励されている。さらに、従業員の離職率が大幅に減少していることは、これらの政策の成功と、従業員が会社に強い帰属意識を持っていることを反映している。
ランボルギーニはクルマの性能だけでなく、人々の成長と幸福に重点を置くという点でも、依然としてベンチマークであり続けている。業務のあらゆる側面に浸透している卓越性への同社の取り組みは、今後もブランドを際立たせ、ユニークな魅力を維持しながら将来の課題に成功裏に取り組んでいくことだろう。

AMWノミカタ
ランボルギーニの最高人事・文化・組織責任者ウンベルト・トッシーニ氏は、
「人口動態の変化、知識社会における意識の高まり、失業率の低い地域における起業家精神の活性化により、経営手法やプロセスを再考する必要性が生じています。革新的で大胆な選択のみが、グローバルな環境における仕事の質と企業の競争力を維持し、高めることができます。あらゆるビジネスの成功は、従業員のモチベーションと幸福度にかかっていることは明らかです」
と述べている。ランボルギーニのあるボローニャの失業率は全国平均の半分以下の2.9%と低く、GDPもイタリア国内で2位にランクされる経済的に豊かな都市である。ヨーロッパ最古のボローニャ大学もあり、きっと意識の高い人々も多く集まるのであろう。そんな激しい競争のなかで優秀な人材を集めるためには、ここまでやらなくてはならないこという現実を示しているようである。またトッシー二氏は「起業家精神の活性化」という言葉を使っているが、優秀な人材の流出も大きな課題となっていることがうかがえる。
しかしながら、「企業の成功は従業員のモチベーションと幸福度にかかっている」と断言する人事責任者のいる会社の未来は明るい。12年連続でランボルギーニは「トップ・エンプロイヤー・イタリア」に認定されてきた。そと並行して2011年から昨年まで(2020年は除く)10年以上も販売を伸ばしてきた。きっとその企業風土はこれまでのブランドの成功にも大いに反映されてきたのであろう。


































