色とりどりのスペシャルカラー
BMWアルピナ B8 GTは、定番の伝統色であるアルピナブルーとアルピナグリーンに加え、特別に選ばれたアークティックレースブルー、ヴェルダントグリーンパール、パープルシルク、エニグマティックブラック、またはクリスタルカッセリットブラックの5色の中から選択できる。伝統的なエクステリアトリムであるアルピナ・デコセットは、カーボンメタリックカラーとなり、デザインの選択肢を広げている。
さらに、世界限定20台で、アルピナブルーまたはアルピナグリーンとブラックサファイアを組み合わせた2種類のツートーンカラーコンビネーションが提供される。
工芸的、そして手仕事
1970年代にはすでに、アルピナの顧客はシートやステアリングホイール、その他のインテリアを、アルピナ・デザインでオーダーすることができた。ブルカルト・ボーフェンジーペンは、卓越したセンスを持ち、小さいながらも洗練されたディテールで印象的なアクセントを加える方法を心得ていた。これらのディテールは、今日まであらゆるアルピナ車を特徴づけているデザインエレメントとなっている。B8 GTもこの伝統を守り、最高級の素材と、調和の取れた美意識を備えたアルピナらしいコクピット体験を提供する。
インテリアでは4種類から選べる専用のフルレザーシートを装備しており、シートセンターは高品質なメリノレザーとアルカンターラの組み合わせとなる。完璧にコーディネートされたカラーアクセント、印象的なコントラストステッチ、そしてフロントシートバックレスト上部のブルカルト・ボーフェンジーペンのサインが刺繍によって仕上げられ、彩りを添える。
さらに、社内のレザー工房では最高級の天然なめし革であるラヴァリナを使用したオーダーメイドのフルレザーでインテリアをカスタマイズすることができる。各インテリアは熟練の手作業によって仕上げられ、B8 GTを唯一無二の特別な存在に仕上げている。
アルピナ・ウォールナット・アンソラサイト仕上げの高級ウッドトリムは、創業者ブルカルト・ボーフェンジーペンのサインが刻まれたカップホルダーの蓋に金属製のインサートとともに、すべての B8 GTのインテリアに標準装備されている。
装備とアクセサリー
シルバーのアルピナ製フルアルミニウム・シフトパドルや高品質なアルカンターラ製ヘッドライナーなど専用のディテールが、B8 GTのラグジュアリーなキャラクターを際立たせている。
ラゲッジコンパートメントマットとフロアマットには、BMWアルピナ B8 GTのメタルエンブレムが施され、上質なレザーのパイピングが施されている。インテリアとエンジンルームにはステンレススチールのシリアルプレートが取り付けられており、BMWアルピナ B8 GTのシリアルナンバーが刻まれる。
そして、B8 GTの納車時における特別なハイライトは、名高いスイスの時計・宝飾店であるカール F.ブヘラと共同開発された限定クロノグラフが提供されることであろう。
「マネロ・フライバック」をベースとしたこの腕時計は、ブルカルト・ボーフェンジーペンのスタイルを反映したモディファイが施されている。
文字盤はエレガントなブルーとし、控えめなシルバーの「ALPINA」のロゴに加え、秒針はアルピナブルーで仕上げられており、文字盤は耐久性とスタイルを兼ね備えた43mmのステンレススチール製ケースに納められている。
カール F.ブヘラによるコラムホイール式クロノグラフを内蔵したキャリバー CFB 1973ムーブメントは、56時間のパワーリザーブを備えており、サファイア・クリスタルの裏蓋からその精緻な機構を見ることができる。特別なデザイン要素として、自動巻きローターがアルピナのハイ・パフォーマンスブレーキシステムをイメージした意匠となっており、それがアルピナ・クラシックホイールの奥で回転するように見える。
また裏面のベゼルには、B8 GTのタイヤにインスパイアされた精密なレーザーエングレービングが施されており、各時計は車両番号に合わせてパーソナライズされている。
このBMWアルピナ B8 GTは、世界で99台のみの限定モデルであるが、日本国内ではそのうち30台が割り当てられ、アルピナ社日本総代理店ニコル・オートモビルズ、アルピナ正規代理店(BMW正規ディーラー)を通じて販売される。希望小売価格は左ハンドルモデルが3495万円(消費税込)、右ハンドルモデルが3540万円(消費税込)となる。
AMWノミカタ
今回発表されたB8 GTは価格的にもスペック的にもアルピナを代表するフラッグシップモデルとなる。アルピナに乗った人は、誰もがその速くて洗練された乗り味の良さについて語るが、それはアルピナが性能表記に「巡航最⾼速度」という言葉を使うことにも集約されるのであろう。
つまり瞬発的な最高速度には価値をおかず、アウトバーンを「実用域」として300km/hという速度で長い時間、速く、そして安全で快適に走れることこそを突き詰めてクルマを開発してきた稀有なブランドなのである。
そして、その高い性能を派手なスタイリングでひけらかすことなく、緻密に仕上げられたセンスの良いインテリアディテールなども「わかるひとにだけわかればいい」という考えに共感する顧客の満足感を高める。
そして2025年末をもって、アルピナ・ブランドの商標権はBMWに譲渡され、これまでのアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン有限&合資会社は今後新たにクラシックカー関連事業への投資や、これまでと異なる新しいモビリティの開発に取り組むという。
そういった意味でもこのB8 GTが創始者ブルカルト・ボーフェンジーペンのクルマ造りの哲学を色濃く残すいわゆるアルピナらしい最後のモデルになるかもしれない。そして99台の限定車のうち30台ものクルマが日本に割り当てられた。アルピナは日本人顧客がその哲学の最大の理解者であることを知っているのであろう。
>>>アルピナとM5を特集! 1月29日発売のBMW専門誌「BMW LIFE3」はこちら(外部サイト)