オプションだけで5万ドルかけられた1台
もちろんセナの魅力はパワーユニットのみならず、その卓越したシャシーと革新的なアクティブエアロダイナミクスにも表れていた。フロントの大型スポイラーとダイナミックウイングレットはボディ下の気流を最適に誘導し、一方ラジエターの冷却を終えたエアはルーフへと導かれ、巨大なアクティブリアウイング全体へと送られる。このウイングは油圧制御され、ダウンフォースの最適化のほか、エアブレーキとしての機能、空気抵抗の最小化などさまざまな機能を持つ。参考までにセナの最大ダウンフォース値は771kg。これはP1から40%の改善に相当する。
すでに触れたとおり、500台限定生産の64番目にあたるこのセナは、カリフォルニア州ビバリーヒルズのマクラーレン・ディーラーを通じて、最初のカスタマーに納車された。それはオリジナルのセナにさまざまなオプション装備を組み合わせたものであり、Bowers & Wilkinsの7スピーカー・オーディオ・システムや特注のヘッドレストにシルパネルなどを含め、その総額は5万ドルを超えるまでに至った。
ちなみにファースト・オーナーがこのセナを購入するために支払った車両本体価格は101万1742ドル。今回のオークションでは、100万ドル〜120万ドル(邦貨換算約1億5500万円〜約1億8600万円)のエスティメート(推定落札価格)を掲げた。実際には、それをわずかに上回る、107万7500ドル(邦貨換算約1億6700万円)での落札が実現した。出品者としても落札者としても、これはまずは十分に納得できる数字だったといえるのではないだろうか。




































































