ヴェイルサイドが新たにプロデュースするS30Z
カスタムカーのビッグイベント東京オートサロンが2025年も1月10日~12日に開催され、3日間で累計25万人を超える来場者を数えました。ブースには合計で850台を超える車両が展示された中から、今回はヴェイルサイド(Veilside)のブースに展示されていた新旧日産「フェアレディZ」のデモカーを紹介します。
最新作「FFZ400」をオマージュしたレストモッドZ
幕張メッセの北ホールに巨大なブースを構え、数多くの車両を展示していたヴェイルサイド(Veilside)。ここ最近は映画『ワイルド・スピード』シリーズに劇中車として数多くのコンプリートカーが採用されており、海外での人気も非常に高い。そのためブースには多くの外国人を含めたファンによってつねに黒山の人だかりができていた。
ブース内にディスプレイされていた数多くの車両の中で、最も気になったのが、新旧の日産「フェアレディZ」を並べて展示していたスペースだ。新型Zは『ワイルド・スピード』の次回作で採用されたモデル「FFZ400」だそうで、その隣にはこのオレンジとブラックにインスパイアされた古いS30型Zが並んでいた。気になる2台について代表の横幕氏に詳細を伺ってみた。
ハン役を演じたサン・カン氏との共同プロジェクトで製作
「このS30型Zは劇中でハンを演じたサン・カンさんと一緒に進めているプロジェクトで、劇中の車両をS30に落とし込んで製作した“Veilside 78 Z”という車両です。ショーネームの78は、サン・カン氏が好きな日本のことわざ“七転び八起き”に由来しています」
ボンネットや前後バンパー、リアゲート、サイドスカートなど、多くのパーツがカーボン製となっているほか、FFZ400をオマージュした独特の形状のリアウイングもカーボン製となっている。
注目すべきはリアクオーターにサイドマーカーが備わる左ハンドル仕様がベースながら、フロントにGOTTI、リアに8スポークのワタナベホイールをチョイスし、フェンダーミラーが装着されているという点だ。しかもこれほどのパフォーマンス系レストモッドにもかかわらず、あえてオーバーフェンダーを装着しないナローボディである点もマニアック。サン・カン氏が日本の旧車だけでなく、いわゆるJDMにも造詣が深いことがわかる。
最終的にはL型ツインカムを搭載する予定
車内はバックスキンを使った高級感のある仕上がりで、シートは全高を抑えたヘッドレスト一体のバケットシートをチョイス。足まわりは前述の通り15インチのワタナベホイールを履き、スターロードの車高調やナギサオートのアーム類、ヴェイルサイド4ポットブレーキキットなどを装着している。
トランスミッションはS15型「シルビア」用のニスモ6速で、エンジンは現在L28改3.2Lが搭載されている。ディテーリングにも徹底してこだわっており、配管や配線も非常に美しい、まさにショーカークオリティだ。ところがこれはあくまで一時的な仕様だと横幕氏は車両の隣にあるエンジンを見せてくれた。
「もちろん現在のエンジンも十分クオリティは高いですが、サン・カン氏の希望で最終的には現在JMC×PAMSで開発中のL型ツインカムヘッド、LZ6を搭載する予定です」