現在までの走行距離は約9万3600キロ
車両に付属するポルシェの認定証には、このモデルが美しいジェミニブルー(カラーコード86)でボディペイントされ、ブラックレザーシート、スタビライザー、マニュアルアンテナ、エアコン、スモークガラス、ATS製のプレッシャーキャストホイール(通称クッキーカッター)をオプション装備して出荷されたことが記録されている。
そして新車としてカリフォルニア州ストックトン在住のデビッド・W・フィッシャー氏に販売されたこと。また彼がつねに入念なメンテナンスを受けていたこと履歴が残されている。2000年代初頭には、PCA(ポルシェ・クラブ・オブ・アメリカ)のコンクール・イベントで高い評価を得ていたことも見逃せない事実だ。
現在までに約9万3600kmの走行距離をオドメーターに刻んでいる、この1973年式911T タルガだが、2023年半ばには著名なレストア業者であるマーティンズ・クラッシック・カーズとヴィンテージ・オートクラフトの共同作業により、高品質なレストアが施された。
保管されている写真を見ると、ボディは一度分解され、工場出荷時のオリジナルカラーであるジェミニブルーに再塗装。エクステリアのトリムやメッキ部分も丁寧に修復されている。タイヤとホイールは、ハイグリップなピレリ製CN36ラジアルタイヤとクラシックなフックス製アロイホイールの組み合わせに変更。オリジナルのATS製クッキーカッターホイールは、車両に添えられる可能性が高い。
18万~20万ドル(邦貨換算約2808万円~3120万円)というエスティメート(推定落札価格)が掲げられたこのオークションの結果は、残念ながら落札の水準には達しなかったが、911シリーズのタルガはこれから必ずや人気を集める1台。今後の値動きには十分に注目したいところだ。



































































