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光岡「オロチ」で人生が変わった! フェラーリやランボにも負けない存在感のファッションスーパーカーはすでに11万キロ走破!!

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 光岡 オロチ:全高1180mmに対して全幅は2035mm。圧倒されるワイド&ローがオロチの魅力
  • 光岡 オロチ:フロントフェイスからフェンダー、ルーフを通ってリアエンドまで流れるスタイリングは、デザイナーの青木孝憲氏の手腕によるもの
  • 光岡 オロチ:顔付きだけではなく、ヘッドライトも大蛇をモチーフにした
  • 光岡 オロチ:エンジンを後部に搭載するミッドシップレイアウトにしたことで、フロントノーズは意外と短いことが分かる
  • 光岡 オロチ:デザイナー青木孝憲氏による直筆サインとイラスト入りが自慢
  • 光岡 オロチ:エンジンは3311ccのV型6気筒、トヨタ製3MZ-FE型を横置きで搭載。車体に対してエンジンがコンパクトなため、エンジン後部に荷物入れも確保
  • 光岡 オロチ:シートも専用ロゴをあしらったオロチオリジナル
  • 光岡 オロチ:ホイールは、ダブルアローと呼ばれる2交点スポークにこだわるWALDのILLIMAシリーズ。ブレーキキャリパーもイエローに彩られていた
  • 光岡 オロチ:どの方向から眺めても、ひと目でそれと分かる独特の意匠がオロチの特徴
  • 光岡 オロチ:前オーナーの好みにより、内装もイエローが追加されている
  • 光岡 オロチ:2007年式光岡 オロチとオーナーの中村嘉公さん
  • 光岡 オロチ:ファッションスーパーカーとして割り切ったことで、リアウイングの形状も個性的。テールランプはマツダ RX-8から流用されている

モーターショーでのプロトタイプ出品が5年後の市販化に繋がった

光岡は、日本で最も小さい自動車メーカーとして知られています。1996年に同社初の型式認定車である「ゼロワン」が登場。そして2001年に光岡が東京モーターショーに初出展したとき、その記念に作られたコンセプトモデルが「オロチ」です。その際に予想を遥かに超える購入希望の反響があったことで市販化に向けて始動。その結果、同社2台目となる型式認定を受けて2006年10月に400台の完全受注生産で発売された、「ファッションスーパーカー」なのです。

離婚による傷心が、オロチ購入のきっかけに

今回ご登場いただいた光岡「オロチ」のオーナー、中村嘉公さん。愛車を購入したのは、コロナ禍に突入する直前だった。そのきっかけは、ご自身の離婚。傷心で落ち込んでいた時期に、地元でスーパーカーが連なって走る姿をたまたま目撃した。そこでフェラーリやランボルギーニに混じって異彩を放つ1台。それがオロチだった。

「子どもの頃からクルマが好きで、以前はレクサス LS460に乗っていたのです。もちろんスーパーカーに対する憧れはありましたが、それまでの人生はそことは無縁の世界にいました。偶然目撃した時も手が届かない世界だとは思ったのですが、そのまま興味を持ち続けていたのです」

買えるわけはないと思いつつも、なんとなくインターネットの情報を探す日々。その時に偶然発見したのが、このイエローのオロチだった。

「イエローが好きで。オロチといえば、ホワイトやパープルのイメージが強いなかで、このイエローを見つけたときはとても新鮮でした。買うつもりもなかったのですが、クルマを実際に見てみたいという衝動で、地元の山口県から愛知県のお店まで足を運んだのです」

そのときに、お店の人に言われた言葉。

「このクルマを買えば、人生が大きく変わりますよ」

離婚でふさぎ込んでいた気持ちを変えたい一心で、自身でも予想していなかった購入を決意。

「清水の舞台から飛び降りるとはまさにこのことでした」

と、中村さんは笑っていた。

圧倒的なスタイリングがオロチの真髄

「お店に並んでいたときのオロチの存在感は、本当に衝撃的でした。隣にはフェラーリも並んでいましたが、それが霞むほどのインパクトがあったのです」

中村さんの興奮の理由は、オロチのワイド感にあった。全幅2035mmと、国産車では唯一の2m超え。そのサイズ感は、ランボルギーニ「アヴェンタドール」に匹敵する。フェラーリの歴代車は、基本的に全幅2m以下。しかもオロチの全高はたったの1180mm。この圧倒的なワイド&ローのスタイリングと独特の顔つきが、中村さんの心を射止めたのである。

なおオロチは、2001年のコンセプトモデルこそホンダ「NSX」をベースにしていたが、市販バージョンは正式に型式認定された車種のためベース車は存在しない。フレームは光岡のオリジナル。エンジンは、レクサス「RX330」の3311ccのV型6気筒を、横置きに座席後部へと配置するミッドシップレイアウトを採用。トランスミッションはアイシン製5速AT。それ以外のさまざまなパーツは、スズキ、ホンダ、マツダなど各社の部品を流用して完成させている。

車体サイズの割にエンジンが小型のため、小さいながらも荷物スペースを設置。マニュアル車を製作するのは、別途型式認定を受ける必要があるため、販売価格高騰を避けるためオートマ設定のみ。こうすることで、スーパーカーならではの非日常の優越感を得られるルックスと、それとは対照的な日常でも扱いやすい性能の両立というコンセプトを具現化したクルマなのだ。

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