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ガルウイングでなくても2億円! メルセデス・ベンツ「300SL ロードスター」に珍しいハードトップつきの個体がオークションに登場

ガルウイングでなくても2億円! メルセデス・ベンツ「300SL ロードスター」に珍しいハードトップつきの個体がオークションに登場

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

1961年以降のモデルには4輪ディスクブレーキを採用

RMサザビーズのオークションに登場したのは、1962年式のロードスターである。1957年から製造されたロードスターだが、デビュー当初はクーペのそれと同じ3L 215psの鋳鉄ブロックを持つエンジンが搭載されていたのだが、1962年春からは44kgも軽量化されたアルミ製のシリンダーブロックに変えられている。また、1961年以降のモデルには、ダンロップ製の4輪ディスクブレーキが装着されており、エンジンのみならずブレーキでも軽量化が施されていた。もちろんブレーキ性能が大幅に向上したことは言うまでもない。ただ、1962年製ではあるが、このクルマのエンジンが鋳鉄製かはたまた新しいアルミ製であるかは不明だ。

シャシーナンバー「198.042-10-003027」は1962年3月2日に納入されたと言われ、最初の納入先はいまとなっては分からないものの、1964年までペンシルバニア州にあったことは判明している。何年もの時を経て、このクルマは前の所有者によって入手され、費用をかけて大がかりなレストア作業が行われ、1990年代半ばに完了したと言われている。このレストア中に、現在のタンのソフトトップ、ファイアーエンジンレッドの外装、そしてナチュラルのレザー内装に仕上げられた。

シャシー、エンジン、ボディワーク、リアアクスル、ステアリングボックス、フロントアクスルはマッチングしている。ハードトップはカラーマッチしているものの、それがオリジナルかどうかは不明。また、トランスミッションに関しては1959年製の旧型が装備されている。

オーディオは現代にアップデート済み

2017年から、メルセデス・ベンツ クラシックセンターにおいて、2万9000ドル以上をかけて、トランスミッションのリビルドを含むメカニカルな整備を行っているほか、持ち主のプライベートメカニックによって、定期メンテナンスが行われていた。現在の走行距離は4万6500マイル(7万4834km)だそうだ。

唯一モダンにアップデートされたのは、ベッカーラジオの代わりに付くパイオニア製ステレオ・システムである。リムーバブルハードトップに加え、ファクトリーデータカード、オリジナル工具、オリジナルのシャシー及びボディタグ、そして30年間のサービスドキュメントが付属する。

RMサザビーズでは、出品車の300SL ロードスターに130万ドル〜160万ドル(邦貨換算約2億280万円〜約2億2960万円)のエスティメート(推定落札価格)を掲げた。実際には132万5000ドル(邦貨換算約2億670万円)で落札された。

>>>Gクラスを特集したメルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.222を読みたい人はこちら(外部サイト)

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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