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予想より安くても1億円以上! ポルシェ「911カレラRS2.7」はもはや雲の上の存在に…散々モータースポーツで酷使された個体でも高値安定です

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

数多くのモータースポーツに参加した個体だった

出品車のS/N:9113600575には、さらに魅力的なヒストリーがある。このモデルは新車でイタリアにデリバリーされたが、その後1979年のタルガ・フローリオに参戦したほか、同年ラリー・デイ・ヴィーニで優勝したことで、イタリアの国内ラリー選手権のチャンピオンにも輝いている。

グランプリ・ホワイトのボディカラーや、ブルーのスクリプトとホイールがあしらわれたエクステリアは、もちろんオリジナルカラーのまま。2025年にはマルケ・エキスパートによるチェックを受け、オリジナルのシャシーとシェルのスタンプを保持していることが確認された。

200台のライトウエイト・モデルの中でも、最初からそのオーナーがモータースポーツへの参戦を意識していた例は数少ない。その証明ともいえるのがこの出品車が装備するLSD(リミテッド・スリップ・デファレンシャル)などのスポーツ・エクイップメントの存在だ。

事実最初のオーナーとして、イタリアのトレヴィーゾでこのモデルを登録したヴィットリオ・ベンヴェヌーティ氏は、1973年の5月には早くもヒルクライム・イベントにそれを持ち込み、その後多くのモータースポーツに使用した。

1990年までイタリアに留まった出品車は、その後フランスに渡った後、2013年末にキュレイテッド・コレクションに収まることになったという。ここでポルシェのスペシャリストによってメンテナンスされ、完全なコンディションのもと保管。今回パリ・オークションに姿を現したというのが、ヒストリーの大筋である。

結果的にその落札価格は、71万3750ユーロ(邦貨換算約1億1430万円)という、予想落札価格を下回る価格で落ち着いた1973年式のポルシェ 911カレラRS 2.7だが、その価値が下がることは、ライトウエイトのみならず、すべてのモデルをこれからもあり得ないだろう。ナナサンカレラは、永遠にポルシェ・ファンの憧れであり続ける。

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