オリジナル状態を保っている貴重な1台
1970年5月にフルモデルチェンジを敢行したトヨタ「カローラ」。スポーツモデルばかりが注目される2代目ですが、今回紹介するのは1200デラックスです。オーナーにとって人生初のヒストリックカーで、旧車イベントへの参加も今回が初めてとのこと。なぜトヨタ「カローラ 1200デラックス」を選んだのか聞いてみました。
好調なセールスを続けた2代目カローラ
2024年10月13日に開催された「20世紀ミーティング2024秋季」は、基本的には三条市のミズベリング三条という水防学習館、交流広場、キャンプ場などが併設された信濃川沿いのエリアで開催されている。
今回のイベントには2輪・4輪あわせて約150台のエントラントを数えたが、原付スクーターからバスやトラックなどの商用車まで、会場に並ぶ参加車両は多彩だ。そんな中、ふと目を引いたのがこちら。大ヒットとなった初代からフルモデルチェンジが行われ、1970年にデビューしたトヨタの2代目カローラである。
先行するライバル、日産サニーに対し「プラス100ccの余裕」を謳い、一躍国産大衆車ベストセラーの座に躍り出た初代に続き、こちらも好調なセールスを続けた2代目カローラ。この代からバッヂエンジニアリングで生まれた姉妹車スプリンターも誕生、その大衆車マーケットにおけるトヨタの地位を盤石なものとした。
ちなみにスプリンターの名は、最初はトヨタ カローラスプリンターと、初代カローラのファストバックモデルに付けられたバリエーションモデルとしての名称であった。
最もカローラらしいと言える1200デラックス
大衆車でもスポーツカーでも、一般的に人気が高く人々の印象に残りがちなのはやはり上級グレードや高性能モデル。セリカだったらSTよりもGTやGTV、ハコスカだったら1500DXよりもGT-R。その伝で言えば、2代目カローラ/スプリンターのセンターを務める人気モデルといえば、やはりTE27の形式名で知られるレビン/トレノだろう。
ひとクラス上のスポーティモデル、セリカGTに搭載された名機・2T-Gエンジンをひとまわり小ぶりな大衆車のボンネットに搭載した、和製エスコートRSとでも言うべきホットモデル。ラリーなどでの活躍とも相まってその人気は今なお高く、全国のヒストリックカー・イベントでもお馴染みの存在だ。
しかし「20世紀ミーティング 2024秋季」の会場にたたずむこのカローラは、ツインカム・エンジンのレビンではない。フツーのカローラ。エンジンは4気筒OHVの3K型。ある意味、最もカローラらしいと言える1200デラックスだ。この手のイベントでは逆に珍しくもあり、オーナー氏にお話を伺うことにした。