CYVNホールディングス、マクラーレン買収と事業統合を発表

中東のアブダビに所在する先進モビリティ企業のCYVNホールディングスは2025年4月3日、マクラーレンのオートモーティブ事業の買収と、マクラーレン・レーシング事業の非支配持分の取得を完了したと発表しました。新会社「マクラーレン・グループ・ホールディングス・リミテッド」は、マクラーレン・オートモーティブと、CYVNの英国における基幹投資先であるフォーセブン社の統合事業を監督することになります。

新会社「マクラーレン・グループ・ホールディングス・リミテッド」を設立

中東・アブダビに拠点を置く先進モビリティ投資会社のCYVNホールディングスは、マクラーレン・オートモーティブの買収およびマクラーレン・レーシングの非支配持分の取得に伴い、英国企業群の事業を統合することを発表した。

新たに設立される「マクラーレン・グループ・ホールディングス・リミテッド」は、マクラーレン・オートモーティブと、CYVNの英国における中核投資先であるフォーセブン社による統合事業を監督する。また、同グループには、CYVNが保有するマクラーレン・レーシングの持分および新設されたマクラーレン・ライセンシング事業も含まれる。

マクラーレン・オートモーティブは、CYVNが戦略的投資を行うNIOとの連携により、先進的かつ電動化技術へのアクセスを獲得するとともに、フォーセブン社が3年間にわたってステルスモードで進めてきた開発の恩恵を受ける。この開発には、2023年にCYVNが買収したゴードン・マレー・テクノロジーズの技術力が活用されており、同社のエンジニアリングおよび軽量化技術に関する専門性の導入が加速している。

マクラーレンの新たなビジョンと戦略は年内に発表予定

また、フォーセブン社ニック・コリンズCEOが新設されたマクラーレン・グループ・ホールディングスの最高経営責任者（CEO）に就任する。会長にはジャッセム・モハメド・ブ・アタバ・アル・ザービ氏が就任し、CYVNは高性能および高級車分野の再定義を目指すとともに、マクラーレンを世界市場における英国発の高性能自動車ブランドへと変革する明確なビジョンと戦略を有している。

ジャッセム・モハメド・ブ・アタバ・アル・ザービ氏は次のように述べている。

「これはマクラーレンが自動車ブランドとして、そしてビジネスとして新たな時代を迎える出発点である。CYVNホールディングスを通じた積極的な経営手法、補完的な企業群および戦略的投資を活用することで、マクラーレンは世界トップクラスのエンジニアリングとデザイン、最先端技術、そして先進モビリティ分野における経験豊富なリーダーシップを結集できる。これらのリソースこそが、マクラーレンの次章を力強く推進し、ブランドが革新の最前線に立ち続けることを可能にする」

今後6カ月にわたり統合および構造調整プロセスが進められると同時に、既存のマクラーレン・オートモーティブ事業に対しては、即時の事業再建計画が開始される見通しである。マクラーレン・オートモーティブの新たなビジョンと戦略の詳細は、年内に発表される予定である。

AMWノミカタ

CYVNホールディングスがマクラーレンの自動車部門とレーシング部門の株の一部、ライセンス事業とフォーセブン社を統合し新会社「マクラーレン・グループ・ホールディングス・リミテッド」を設立した。フォーセブン社とはイギリスの高級自動車スタートアップ企業で、特に軽量化技術やエンジニアリングの分野を得意としており、マクラーレンをはじめとする高級車ブランドに対して技術的なサポートを提供している会社である。

CYVNホールディングスはNIOに投資も行っているが、ここは言わずと知れた中国の高級EVメーカーで、電動化のみならず自動運転の分野にも力を入れている会社である。マクラーレンの今回の発表は新しい投資を受けて、より多くの革新を生み出し、世界的に競争力のある企業へと成長するという宣言ととらえて良いだろう。新しい製品カテゴリーへの進出も予定しているというが、BEVに行くのかSUVに行くのか、はたまたまったく予想もできない新しいカテゴリーなのかその期待は高まる。