華々しいレース歴は、必ずしもオークションでの評価には直結しない…?
スクーデリア・ベランカウトのフェラーリ512BB/LMは、「365P2/3」「330P」「250 MM」、そして伝説の250GTOを含む約40台のフェラーリとともに、サン・マリノ共和国ほど近いリミニ近郊にある素晴らしい「マラネロ・ロッソ・コレクション(Maranello Rosso Collection)」にて長らく一般公開されたのち、次のオーナーに引き渡された。
そして2021年には、後述するオークションにおいて、今回の出品者でもある現オーナーが入手。そののち2022年から2024年にかけて、ドイツのルトライン=ヴェストファーレン州ウンナにあるヒストリックレース参戦サポートのスペシャリスト「ブリテック・モータースポーツ(Britec Motorsports)」社によって、15万ユーロを超える費用をかけて、大規模かつ入念な再ミッションが施された。
このとき行われた作業には、シャシーのフルストリップダウンと再組み立て、ボディワークと電気系統の修理、エンジンの完全オーバーホール、ギアボックスのリビルドなどが含まれる。さらにクラッチや燃料ポンプ、燃料パイプの交換、ブレーキキャリパーおよびマスターシリンダー、ダンパー、ホイールベアリングのオーバーホール、サスペンションとステアリングコンポーネントの徹底的なクラックテストが行われ、レーストラックへの復帰に向けて準備万端のコンディションに仕立てられているという。
フェラーリとしては少々アクの強すぎるルックスが影響?
ところでじつはこの個体、同じくRMサザビーズ欧州本社がフランスのポールリカール・サーキットを会場として2021年11月に開催した「The Guikas Collection(ギカス・コレクション)」オークションにも出品。現オーナーが入手したのはその時なのだが、当時は225万ユーロ~300万ユーロというエスティメートに対して、197万3750ユーロという予想外の安値で落札することができた。
そして今回、現オーナーとRMサザビーズ欧州本社は200万ユーロ~250万ユーロ(邦貨換算約3億2200万円〜約4億250万円)という、前回に比べるとかなり低めのエスティメート(推定落札価格)を設定したのだが、2月5日に迎えた競売では売り手側が希望した「リザーヴ(最低落札価格)」には届かず、流札に終わってしまう。
つまり「ル・マン・クラシック」「モントレー・モータースポーツ・リユニオン」、あるいはピーター・オート主催の「CERシリーズ」など、数々の注目度の高いヒストリックレーシングイベントにエリジブル(出場権がある)であるにもかかわらず、今回もまた残念なオークション結果となってしまったわけだが、やはりフェラーリとしては少々アクの強すぎるルックスが影響しているのかもしれない……? とも思えてならないのだ。









































































































