開発時の目標を上回る325km/hを記録した
ミッドに搭載されるエンジンは、カウンタックの最終モデルであるアニバーサリーから、さらに排気量を拡大した5707cc仕様のV型12気筒DOHC48バルブ。ブロックとヘッドはいずれもアルミニウムとリチウムによる合金製で、バンク角を60度に設定しているのは、かのジオット・ビッザリーニがランボルギーニの創業時に開発したV型12気筒エンジン以来の伝統である。
最高出力で492psを発揮したこのエンジンには5速MTが直列に接続され、そのユニットは車体の後方から前後逆方向にエンジンルームに搭載された。これはカウンタックでパオロ・スタンツァーニが考案したパワートレイン・レイアウトで、最前部の5速MTから出力されたトルクは、180度その進行方向を変え、リアのデファレンシャルへと戻る仕組みだ。このメカニズムはディアブロの後継であるムルシエラゴにも継承されている。
実際にディアブロが可能とした最高速は、開発時の目標を上回る325km/h。正式な発表は1990年1月にモナコで行われたランボルギーニ デイ2で行われ、同年夏から本格的にその生産は開始されることになった。オークションに出品された1991年式はトータルで401台が存在し、出品車はその中で362台目に相当するもの。工場出荷後アメリカのペンシルバニア州ピッツバーグにあるディーラーに送られ、1992年1月にファースト・オーナーの手に渡った。
そして驚くべきことに、このオーナーが亡くなるまでの間、約25年間にわたって所有され続けたというのだ。その後2018年後半には新たなオーナーが見つかり、翌年ヒューストンのディーラーで大規模な整備を実施。当時の走行距離は1万2859kmであったと記録されているが、その後オドメーターのギアは交換され、現在は新しいオドメーターが1万3121kmという数字を刻む。
このディアブロに対してRMサザビーズが示した予想落札価格は22万ドル~26万ドル(邦貨換算約3280万円〜3875万円)。実際の落札価格は25万7600ドル(邦貨換算約3840万円)とレンジに収まった。ディアブロにもそろそろクラシックとしての価値が出てきたのか。このリザルトを見て、多くのマニアはそう感じるに違いない。









































































