大都会パサデナの目抜き通りをルート66が走る
「アメリカの母なる道」と呼ばれる「ルート66」が2026年で100周年を迎えます。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手を応援しにカリフォルニアを訪れる日本人が多い今、そこからちょっと足を延ばせば満喫できる、ルート66ゆかりのスポットをご紹介。ロサンゼルスの北東、ドジャー・スタジアムもほど近いパサデナは、フリマも美術館も植物園も、何もかもビッグでハイクオリティな文化あふれる町です。
月1回のフリマは2500以上のブースが参加!
ヴィクターヴィルの町を朝のうちに出発して西に向かい、ルート66を巡る旅はいよいよロサンゼルス都市圏に突入する。まずはランチョにある「クカモンガ・サービスステーション」へ寄ってみた。ルート66ができるより前の1915年に建てられた古いガソリンスタンドで、今世紀に嵐で倒壊してしまったものを復元している史跡だ。
さて、パサデナは文化と教育の町として知られているが、旧市街地「オールド・パサデナ」を含む中心部をルート66が東西に横断しており、歴史を感じながらもあか抜けた街並みを楽しめるエリアとなっている。
まずは1985年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の劇中で「30年前のドクの家」としてロケに使われた「ギャンブル・ハウス」だ。1909年に建てられたアーツ・アンド・クラフツ様式建築の名作で、名前はこれを建てたオーナーが富豪のギャンブル氏だったから。カジノではない。
そしてこの日は偶然、毎月第2日曜日にローズ・ボウル・スタジアムで行われている大規模なフリーマーケットが開催されていたので足を運んでみた。出店数が2500を超えるというカリフォルニア最大規模のフリマで、気合いの入った人は早朝から見て回るのだそう。2時間ほどの滞在で全て巡ることは到底不可能だったが、あちこちから英語にまじって日本語が聞こえてきて、ここパサデナが都会であることを実感したのだった。
ノートン・サイモン・ミュージアムの豪華すぎる美術コレクションは圧巻
ルート66沿いに建つ「ノートン・サイモン・ミュージアム」は1969年にオープンした美術館で、実業家ノートン・サイモン氏の個人コレクションを元にした膨大かつ広範なアート作品が展示されている。
入り口にはロダンの彫刻がいくつも並んでいて、中に入るとゴッホやピカソ、ドガ、ルノワールといった美術の素人でも知っている有名アーティストたちの作品が大量に並ぶ。どれが見どころ、といったレベルではない充実した内容だ。筆者が個人的に敬愛するブランクーシやジャコメッティの彫刻作品もあって、まさに至福の時。
しかも広々としたギャラリーでゆっくり間近に鑑賞することができて、撮影もフラッシュと三脚が禁止なだけで基本的にフリーとなっている。ついついこれでもかと写真を撮ってしまった。
ルネサンス期の作品やキリスト教美術のエリアも充実しており、やっと一周したかと思いきや、地下には南アジア~東南アジアの仏教美術のコレクションがまた膨大に広がっていた。これもまた、大学での専攻が「インド学仏教史」だった筆者には充実しすぎた内容だった。
できればスケジュールに余裕をもって再訪し、丸一日、あるいは数日でも、じっくり過ごしたい素晴らしい美術館だ。







































































































































