ローマイレージで希少カラースキームの512TR
RMサザビーズ「MIAMI 2025」オークションに出品されたのは、1992年から1994年の間に2280台(ほかに諸説あり)が生産された512 TRのうち、ごく初期の1台。「ネロ(黒)」のボディに、赤のコノリー社製レザーという、希少かつ印象的な組み合わせで仕上げられている。
VINコード(シャシーNo.)は「ZFFLG40A4N0093221」の北米仕様車。カリフォルニア州ニューポートビーチの「ニューポート・インポーツ(Newport Imports)」社に新車として引き渡され、1992年3月9日に最初のオーナーのもとで初登録された。
車両に添付されたヒストリーファイルに綴じられたドキュメントによると、1999年初めに2代目のオーナーがこの512TRを譲り受けるが、その段階での走行距離はわずか7826マイル。さらにその後、2018年12月に現オーナーとともにカナダに転居するまでの17年間にわたって2代目オーナーが保有していながらも、その間はほとんど運転されなかった。
そして現オーナーは入手の直後から、この512TRに関するすべてのサービスを「フェラーリ・オブ・オンタリオ」に委ねることとした。手始めにエンジンを降ろしてのメカニカルサービスと、カリフォルニア時代に前オーナーが取り付けた、大量のアフターマーケット電子グッズの取り外しを依頼した。
2018年12月付で提出された請求書には、タイミングベルトおよびクラッチの交換、フルードや補助ベルト、エアフィルター、燃料フィルター、スパークプラグ、クーラントホースなどをすべて新品に換装するとともに、包括的なチューンナップの実施。
またガスケットやシール/Oリング類を新品に交換することで各部のオイル漏れを修正したほか、ウォーターポンプとオルタネーターのリビルド、バルブ調整。新品の「ミシュラン・パイロット・スーパースポーツ」タイヤの装着。4輪アライメント調整など総額3万2000ドルを超える大規模な機械的作業の詳細が記載されている。
翌月にあたる2019年1月には、インテリアおよびフロントトランク内のトリムの大部分を分解。アフターマーケットのガジェットに対応するすべての配線/リレー/スイッチとも丹念に取り外したのち、すべての配線とそのほかのコンポーネントを純正スペックに戻すために多大な努力が払われた。ここでも総額7700ドルの請求書が提出された。










































































