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「カウンタック」は人気薄の「25thアニバーサリー」でも1億円超え!価格高騰はオラチオ・パガーニ氏創成期の作品と認知されたことが影響?

「カウンタック」は人気薄の「25thアニバーサリー」でも1億円超え!価格高騰はオラチオ・パガーニ氏創成期の作品と認知されたことが影響?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2025 Courtesy of RM Sotheby's

もはやアニヴェルサリオは“リーズナブルな”カウンタックに非ず

RMサザビーズ「MILAN 2025」オークションに出品されたカウンタック アニヴェルサリオは、1989年生産のシャシーNo.#KLA12465。今なお「ネロ(ブラック)」の純正ボディカラーを残し、ベージュのレザートリムで覆われたこの希少な欧州スペック車両は、20年以上ぶりにマーケットへと売りに出されることになった。

RMサザビーズの公式カタログには、とくに20世紀の来歴について詳しく明かされていないようだが、フランス在住のオーナーが所有していたというこの#KLA12465は、2004年6月に今回のオークション出品者でもある現オーナーによって購入され、故郷のイタリアへと舞い戻ってきた。

現在では「A.S.I.(Automotoclub Storico Italiano:イタリア自動車歴史クラブ)」が発行する「歴史的・収集的価値証明書(Certificato di Relivanza Storica e Collezionistica)」も取得している。いっぽう、過去20年以上にわたり極めて使用頻度の低い状態で保管され、オークションカタログ作成時点での走行距離は1万2433kmに過ぎない。

カウンタック史上もっとも生産台数が多い

このオークション出品にあたり、RMサザビーズ欧州本社は45万ユーロ〜65万ユーロ(邦貨換算約7335万円〜1億595万円)という、かなりレンジの広いエスティメート(推定落札価格)を設定した。ところがミラノ市内の「ミラノ・コレクション」の期間中には、本格的なファッションショーが開かれることもあるというコンベンション施設で行われた競売では、エスティメートをはるかに超越した113万ユーロ。現在のレートで日本円に換算すれば、約1憶8500万円という驚きの落札価格で競売人の掌中のハンマーが鳴らされることになったのである。

2010年代までのランボルギーニ・カウンタックといえば、オリジンである「LP400ペリスコピオ」が現代のマーケットではもっとも高く評価され、その改良型である「LP400S」や「クアトロヴァルヴォレ」などがそれに次ぐ評価。いっぽう総計658台(試作車1台と657台の生産車両)という、カウンタック史上もっとも多くの生産台数が計上された(ほかに諸説あり)アニヴェルサリオは、以前ならば歴代カウンタックのなかでも比較的リーズナブルな価格で取り引きされるのが通例だったはず。

ところが、LP400ペリスコピオは依然として3億円前後で取り引きされるトップランナーであることは不変ながら、いつのまにか中間世代のカウンタックに対して最終型のアニヴェルサリオが同等、あるいは凌駕してしまうような1億円オーバーの相場感が形成され始めているかにも見える。

これはあくまで筆者の推測ながら、やはりここ数年の世界的ヤングタイマー人気にくわえて、今や「生けるレジェンド」としての地位を確立したオラチオ・パガーニ氏創成期の作品としての認知もまた、影響を及ぼし始めているかに思われるのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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