大阪城から万博会場までのライドイベントに参加
連日のようにメディアで取り上げられている大阪・関西万博。会場内の魅力的なパビリオンを目的で万博会場を訪れるのもいいですが、どうせなら会場まで向かう道のりもイベントにして楽しもう! ということで、ブロンプトンが開催するライドイベントに参加してきました。もちろん、英国ブランドのブロンプトンのイベントですから、万博会場の英国パビリオンで開催された「未来のコミュニティとモビリティ」をテーマとしたパネルディスカッションにも参加してきました。
最新ブロンプトンを一気乗り!
今回のブロンプトンのイベントは、大阪城から大阪・関西万博会場までを41名の参加者とともにライドするというのが大きなひとつのイベント。そして、英国パビリオンでのパネルディスカッションという2部構成となっていました。こちらは110名のブロンプトンファンが集まりました。
大阪城からのライドには、最新のブロンプトンの試乗車が用意されていました。仕様など異なる4種類のブロンプトンを途中で乗り換えながらゴールを目指すのですが、途中にチェックポイントが設けられており、そこでデジタルスタンプをゲットするという趣向です。
最初に乗ったのはオールスチール製のスタンダードな「C Line」。内装3段・外装2段の計6段です。これに乗って大阪城から中之島公会堂まで。ハンドルはミドルタイプなので前傾姿勢になることなく、楽にライドすることができます。アストンマーティンの3代目「ヴァンテージ」でたとえるならば、エントリーモデルということもあって「V8ヴァンテージ」といったところでしょうか。
次は最軽量版ともいえる「T Line」。フレームはチタン、フロントフォークはカーボンファイバーとなっており、内装3段・外装4段の12段変速。重量は8.8kg〜と「C Line」に比べて37%も軽くなっています。クルマと同じで自転車は軽さが命という側面もありますが、普段乗りとして多用する場合、フレームやフロントフォークに傷がつかないかといった心配事も出てきそう。最初に購入するならばC Lineで十分だという気もします。フルスペックでお値段もかなり張ってしまうので、こちらはアストンマーティン3代目ヴァンテージで喩えると、「V12ヴァンテージS」とでも申しましょうか(軽くはないけど)。
次に淀川で乗り替えたのが、この日の目玉ともいえる「G Line」。オフロードを意識した20インチの太いタイヤにホイールベースを延長したフレームで、直進安定性が高められています。8段変速でしかもブレーキはディスクです。アストンマーティンのラインアップで喩えるなら、間違いなく「DBX」ということになるでしょう。G Lineを評価するのはちょっと難しく、本気でオフロードを走るのならMTBの方に軍配が上がります。T Lineから乗り換えると、クルマでいうところのアジリティが乏しいと言わざるを得ません。その点、アストンマーティンDBXの乗り味とは乖離してしまいます。英国車で喩えると3代目レンジローバー、もしくはドイツ車となりますがメルセデス・ベンツの先代Gクラス的な存在に近いかもしれません。
そして最後に、常吉大橋公園あたりから万博会場までは「P Line」です。こちらは「C Line」より1.85kg軽量で、リアフレームとフォークがチタン製となっていて、内装ギアはなく外装ギアのみの4段。ハンドルもストレートのlowタイプで、ライディングは自然と前傾姿勢となります。通好みのハードな仕様のアストンマーティン「ヴァンテージGT8」に喩えておきましょう。
これらの4台を数時間で一気に乗り比べできたので、これまで謎だったブロンプトンの乗り味と魅力とを俯瞰して把握することができたのでした。
都市のモビリティとしての潜在能力とは
さて、ここからはパネルディスカッションのテーマに沿ってブロンプトンを紐解いていきます。
2025年は、ブロンプトン誕生から50年というメモリアルイヤー。シンプルなデザイン含め基本的な部分は50年間変わっていないのは、誕生した当初から普遍的であったことの証でしょう。シンプルゆえに誰にでも使えたということです。
ロンドンでは交通手段として使っている人が多いというブロンプトン。折りたたんで運べるので、自由に都市を移動することができるのが利点とのこと。ブロンプトンで移動している際に、気になるカフェやレストランに出会えばすぐに立ち寄ることができ(クルマだと駐車場を探さなければならない)、行動半径が広くなるので、人の生活を豊かにしてくれます。また、シンプルに健康にもよいと。
ただし、日本(とくに東京のような都市部)ではロンドンと違って問題もあります。まず、ロンドンでは歩道を走ることは絶対にNGですが、サイクルロードやサイクルレーンが充実しています。また、輪行袋に入れなくても、折りたたんで地下鉄などの公共交通機関に乗り入れることができます。しかし日本では輪行袋に入れないと電車内に積むことができません。つまり、20秒足らずで折りたためて、さらに可愛い愛犬のように引っ張って運べるのが美点のブロンプトンを輪行袋に入れて担いで歩かなければならないのです。
さらに都内の交通量の激しいエリアで自転車を走らせるのは至難の業です。午前中の通勤時間帯、左レーンはバス優先になっている区間も多く、自転車は危険極まりない環境です。そういったインフラを今後どのように整えるのかが、課題であるとのこと。
この日のパネルディスカッションでは話題になりませんでしたが、そうしたインフラなどの整備はもとより、自転車に乗る方のモラルも問われているのが現在の日本の状況です。通勤時間帯に首都高3号線の高架下の国道246号線をクルマで走ったことのある人なら、その意味がわかると思います。
以前、運転免許の違反者講習を受けた際、左折車と自転車の事故が増加しているということで、左折するクルマはウインカーを出すと同時に自転車がすり抜けできないように交差点の手前では、路肩にクルマを寄せるようにと教わりました。都心部では、これが実情です。クルマのドライバーはなにも意地悪をしているのではないのですが、自転車しか乗らない人には意地悪く感じてしまうものでしょう。













































































