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プジョー新型「3008」の日本ローンチの準備は整った! 若いころ「206」や「306」に乗っていた人に超オススメです【AMW編集長コラム】

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TEXT: AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)  PHOTO: AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)/ステランティス

  • プジョー新型3008:全長 4.54m×全幅 1.89m×全高 1.64m
  • プジョー新型3008:全長 4.54m×全幅 1.89m×全高 1.64m
  • プジョー新型3008:リアからの眺めがこれまでにない斬新なデザイン
  • プジョー新型3008:パノラミック i-Cockpit
  • プジョー新型3008:斬新なデザインとなるセンターコンソール
  • プジョー新型3008:タッチセンサー式の「i-Toggles」。よく使う機能をカスタマイズできる
  • プジョー新型3008:左ハンドル仕様のペダル類。フットレストが広い
  • プジョー新型3008:フロントシート表皮のデザインがいかにもプジョーらしい
  • プジョー新型3008:デザインコンシャスな外観だが、後席の頭上スペースは過不足なし
  • プジョー新型3008:日本市場にはBEVではなくハイブリッドを導入
  • プジョー新型3008:ファストバックSUVを名乗るだけあって、リアの造形がハイライトだ
  • プジョー新型3008:フロント左右フェンダーにプジョーのクレストが貼り付けてある
  • プジョー新型3008:フロントグリルにもライオンのクレスト
  • プジョー新型3008:ラゲッジルームは予想よりも使い勝手が良さそうだ
  • プジョー新型3008:日本市場にはハイブリッドモデルが投入される予定
  • プジョー新型3008:サイドビューのシルエット。最初に連想したのはアルファ ロメオ RZだった
  • リンダ・ジャクソン プジョーCEO(取材当時)から、プジョーの世界戦略、日本戦略などを伺った
  • プジョー新型3008:i-Cockpitがプジョーを選ぶ重要な要素となる
  • プジョー新型3008:3本の爪痕のようなシグネチャーライトは、プジョーであることを強烈にアピールする

プジョー新型3008が欧州で絶好調です

2024年5月より欧州マーケットに導入されたプジョー新型「3008」の実車を検分する機会を日本国内で得ました。欧州での販売台数はすでに10万台を突破。どうして新型3008は欧州でウケているのか、そして日本にはどのパワートレインを引っ提げて上陸するのか、リンダ・ジャクソン プジョーCEO(取材当時)から直接お話を伺ってきました。

没個性な昨今の自動車デザインに未来はある?

目黒通りを走っていて、最近のクルマはどれも似ていて見分けがつかないと感じることが多くなった。クルマのデザインには時代におけるトレンドがあり、それはテクノロジーと密接な関係があったりする。前世紀末期、国産車を見て「欧州のあのブランドに似ている」と思うことはあったけれど、某ドイツプレミアムブランドのクルマの後ろ姿を見て、エンブレムを確認するまで日本のプレミアムブランドのクルマだと勘違いしたり(逆もまたあり)、ヘッドライトを見てイタリアブランドのクルマだと見間違ったりするなんてことは、少なくともなかった。

もっとも国産ミニバンや軽自動車に至っては、シルエットからデザインまで、同じようなクルマが路上に溢れている。没個性と切り捨てるのは簡単だけれども、目黒通りを走っているクルマを見て、かつてのようなワクワク感を抱かなくなったのは自分がそれだけ年齢を重ねてしまったせいなのだろうか。それともグローバリゼーションが進んだ末の均質化の賜物なのだろうか。

実はプジョーも「モビリティの未来は、期待したほどエキサイティングではない」と分析している。プレゼンテーションのスライドには、その理由に「同一性」「ロボットが支配する」「複雑で規制が多い」という3つを挙げていた。

ざっくりとプジョーの主張を要約すると、私が常々感じているように、クルマのデザイン上の差異が見受けられなくなっており、自動化やAIその他テクノロジーが進むにつれてロボットに支配されているようで、人間(ドライバー)の果たす役割はどうなっていくのか? と懸念しているようだ。そしてスピードカメラによる取締りや駐車規制にはじまり、エネルギーの移行期間──CO2排出規制などがある複雑な時代において、クルマの楽しみなどどこにあろうか、クルマにはもうワクワクの未来なんてないんだ、ということらしい。

しかし、こうした時代においてなお、プジョーは違ったもう一つの未来を作ることが可能であるという。キーワードは「Pleasure(楽しみ)」。この〈楽しみ〉がすべての経験の核にあるようなものを提供できるという。「駆け抜ける歓び」は、もう何十年も昔のBMWの有名なキャッチだ。プジョーの考える〈楽しみ〉とは、どのような〈歓び〉をもたらしてくれるのだろう。

プジョーが考える「楽しい」クルマの未来

ところでなぜ〈楽しみ〉が必要なのか。それは人は日々、運転するときにも常に〈楽しみ〉を求めているから。プジョーでは、テクノロジーやイノベーションはあくまでも人生を楽しむための一助であると考えている。つまり、人生を楽しんだ先にある〈歓び〉をいかにしてカスタマーに届けるか、というのがプジョーのこれからの大切な命題であるようだ。そして、その命題を導き出すために必要なものが、「ALLURE(シャープなデザイン)」「EMOTION(直感的な運転体験)」「EXCELLENCE(妥協のない品質)」である。

なんだか形而上的でヨハン・ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』が頭をよぎってしまうあたり、いかにもフランス的な……ともいえるが、それぞれどのようなことをプジョーは定義づけているのであろうか。

「ALLURE」は、簡単に言ってしまえば、アピアランスのこと。プジョーのクルマをただ眺めるだけで胸が高鳴る〈歓び〉を指す。フレンチブランドであるため、エクステリアやインテリアのデザインは非常に大切とプジョーも認めている。エクステリアではネコ科の動物による三本の爪痕のようなシグネチャーライトが他のクルマとのデザイン上での差別化に貢献しており、没個性的な昨今のクルマのなかにあって、ひと目でプジョーと分かる。好き嫌いはともかく、見ていてワクワクさせられるデザイン。そして、インテリアでは12年前から採用されているi-Cockpitは、非常にユニークで唯一無二のアピアランスである。

そして2番目の「EMOTION」はドライビングエクスペリエンス──運転する〈歓び〉のこと。これにはi-Cockpitが重要な役割を担っており、ハンドルを握ったときに伝わってくる楽しさ、そしてドライビングエクスペリエンスを差別化するものである。特徴的なコンパクトなステアリングホイールが、クイックでダイナミックなドライビングエクスペリエンスを可能とし、運転していて楽しいという感覚が湧き上がってくるのである。

最後の「EXCELLENCE」は、技術・品質そして効率を指しており、それらが高度なレベルで維持されているからこそ、所有する〈歓び〉も湧くというものである。

まとめると、目で見ても楽しく、運転していても楽しいという感覚があり、さらに持続性があり長い間楽しめる──つまりワクワクの〈歓び〉がある、というのがプジョーの主張である。そしてこれらがすべて揃ったとき、プジョーのいうところの強烈な魅力、胸の高鳴り──「ALLURE」となって、磁石のようにカスタマーを引き付ける、というわけだ。以上が、プレゼンを受けて私が解釈したプジョーの新たなエスプリ(精神)である。

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