出品車両は日本から並行輸入された1992年式の最終型
WRCへの参戦は、デビュー翌年の1988年に三菱ワークスチーム「ラリーアート」の手によって開始。翌1989年には早くも初勝利を三菱にもたらし、1992年の参戦終了まで計6勝を挙げました。とくに1991年のコートジボアールラリーでの篠塚健次郎氏の勝利は、日本人初の快挙として歴史に名を刻んでいます。また、アジアや日本国内のラリーシーンでも大暴れしました。
ギャランVR-4は秀逸なパッケージでセダンとしての基本をしっかりと抑えながら、ハイパフォーマンス4WDという新たな高性能車の姿を具現化したことで、ファミリー層からスポーツカー好きまで幅広く受け入れられることに成功。三菱としては久しぶりのヒット作となりました。
今回オークションに出品されたのは1992年式の最終型で、ボンネット上の2つのスリットが熟成されたモデルの証です。この個体は数年前に日本から並行輸入され、2025年に初めてナンバー登録されました。
控えめな価格設定でも落札されなかった理由は過走行だけではない?
走行距離は7万2000マイル(11万7000km)と走り込んでいるものの、ボディに目立った傷や凹みはなく、さらにオークションへ持ち込む前にポリッシュが施され、艶のある良好な状態に保たれています。また、出品直前にはステアリングラック、オルタネーター、セルモーター、バッテリーなども交換。購入後すぐにマイナートラブルが出ないようにしっかりと整備されています。
距離を重ねていることから、推定落札価格は1万5000ポンドから1万8000ポンド(邦貨換算約296万円~355万円)と予想されましたが、今回は残念ながらハンマーが鳴ることはなく、次回に持ち越しとなりました。WRCで勝利を挙げ、記録にも記憶にも残るクルマですが、走行距離の問題以上に、ランサー エボリューションの陰に隠れたクルマとしていまひとつ評価が得られていないのかもしれません。ただし、EVOゼロというべき、ファイナルエディションのギャランVR-4はその認知の高まりとともに、今後評価される可能性はあります。



















































































