コ・ドライバーを経験していろいろな場面での成長を実感
2022年、12年ぶりにWRC世界ラリー選手権のカレンダーに復帰したラリージャパン。その影響を受け、日本では地区戦も盛り上がりを見せています。今回紹介するのは、中部・近畿地区戦の1戦である「豊田しもやまラリー」にエントリーした女子アナ、上原あずみ選手にお話を伺いました。
ラリーごとに担う役割が変化するチーム体制
地元のラリーストはもちろん、遠征組も多数。その中に全日本ラリーはもちろんラリージャパンでもダイハツ「コペン」を走らせているD-SPORTのラリーチームの面々がいました。ですが、2025年5月23日〜24日に開催された豊田しもやまラリーのエントリー名は「D-SPORTチャレンジチーム」です。このチームのスタッフは、ラリーのたびに役割を変えて挑戦しているのが特徴です。
ちょうどこの1週間前に開催されていた全日本ラリー選手権「ラリー飛鳥(2025年5月16日~18日開催)」にD-SPORT Racingコペンでオープンクラスにドライバーとして出場していた相原泰祐選手は、「豊田しもやまラリー」ではチャレンジチームの監督になっています。それとは逆に、今回のドライバーの殿村裕一選手は全日本戦では監督をしているのです。
ほかにも、今回ラリーのメカニックはラリーとは関係のない、クルマの設計部門のエンジニアで構成されています。自動車会社の関係者ですが、実際の車両に触れる機会は実は少ないというメンバーが多く、タイヤを外すのも初めてというスタッフもいました。
今回の参戦車両となるNo.57 D-SPORT ChallengeコペンはCVT車で、DE-6クラスに参戦します。この車両にはD-SPORTが開発したコンピュータや6ポッドブレーキキャリパーをはじめ、さまざまなアイテムが投入されています。
アナウンサーとコ・ドライバーは共通する部分が多い
そんな役割がラリーごとに変更するこのチームの中で唯一、上原あずみ選手はコ・ドライバーとしての役割をここ2年変えずに参戦しています。上原選手とラリーの関わりは、2022年にTGRラリーチャレンジおよびGood Driverレッスンの取材でラリー現場に訪れたのがきっかけです。
D-SPORTのチームに挨拶をしに行くと、殿村監督に「コ・ドライバーとして参加してみないか」という提案を受け、以後コ・ドライバーとしてのキャリアを重ねてきたと言います。
上原選手の父親は長年クラシックミニに乗っていて、小さいころはよく修理していたそうです。幼少期には、古いクルマじゃなくて最新車両であるという理由で「コペンに乗りたい」と親に話していたとか。そしてこのチームに関わって、最近の「コペンGRスポーツ」を購入した。

上原選手の本業はアナウンサーですが、コ・ドライバーとの両立について次のように語ります。
「アナウンサーとコ・ドライバーは共通することが多いです。たとえば事前の準備や段取り、そして時間の管理。さらに、きちんと伝えるというアナウンス力もです」
最初はヘルメットも自分でかぶれなかったという上原選手。
「コ・ドライバーって仕事が多くて大変です。もう大人なのに最初はできないことだらけで、ほんと絶望でした。ただこういう場に直面すると、周囲の人のありがたさをすごく感じますし、どうしたら失敗しないか、と改善をしていくチームの動きも目の当たりにすることができました。もちろん自分自身もできることが増えてきて成長を実感しましたし、自信を持つことができてきました」
この活動が功を奏したのか、現在では本業でもメインキャスターに抜擢されるなど、評価されていることを実感できていると話します。
WRCラリージャパンにも参戦をしているダイハツ コペンとD-SPORT Racingの活動。今後の展開にも期待したいですね。


















































