ローマからの正常進化で向上したパフォーマンス
新生アマルフィの形式名は「F169MM」とのこと。グラマラスかつエレガントなプロポーションから見ても「F169」であるローマの大規模改良版と見て間違いあるまい。
ただしエクステリアについては、フラヴィオ・マンゾーニ氏の率いるフェラーリ「チェントロ・スティーレ(デザインセンター)」が、ほぼすべてのボディパネルを新たにデザイン。マンゾーニ氏が掲げる「複雑さを一切排除したシンプルさこそが、そのクルマを永遠に愛されるものにする」という信条のもと、流麗ながらミニマルなスタイリングとしつつも、12チリンドリ譲りの「可変アクティブ・ウィング」を活用して、LD(ロー・ドラッグ)/MD(ミディアム・ダウンフォース)/HD(ハイ・ダウンフォース)の3種類を自動的に切り替える「アクティブ・エアロダイナミクス」を採用するなど、最新鋭の空力パッケージを盛り込んでいる。
フロントに搭載されるパワーユニットも、ローマから継承されたV8ツインターボ3855ccの「F154B」系最新スペックのものでリア駆動となる。カムシャフトやブロックの軽量化を図ったほか、「296GTB」や「12チリンドリ」でも実績のある最新世代のエンジン制御システム、2基のターボチャージャーに施された新たなキャリブレーションなどの相乗効果により、最高出力はローマの620psから640psまで高められている。
その結果、トランスミッションは8速ATを組み合わせることで、最高速度こそローマと同じ320km/hにとどまりながらも、0-100km/h加速は0.1秒短縮された3.3秒をマークするとのことである。
ローマからの「デュアル・コックピット」コンセプトを強化
いっぽう、フェラーリでは「ビークル・ダイナミクス」と称するシャシーについてもローマの基本設計を維持しつつ、新たにブレーキを電子制御する「ブレーキ・バイ・ワイヤ」を採用。6Dセンサーにより高い精度で車速を測定し、各輪の最適なスリップ値を特定する「ABS Evo」システムと併せて、制動力を最適分配するという。
またインテリアでは、ドライバーの正面に15.6インチのデジタル式インストゥルメントクラスターを備えるほか、インパネ中央に10.25インチのタッチパネルディスプレイを配置。さらに12チリンドリと同じく助手席側にもディスプレイを備え、ローマ以来となる「デュアル・コックピット」のコンセプトを強化した。ただ、ローマの特徴であった左右座席を分ける高いコンソールは廃され、助手席に座るパートナーとの「ドルチェ・ヴィータ」をより緊密なものとすることにしたようだ。
今回のプレゼンテーションでは、販売価格や日本でのデリバリー開始時期などについては明かされなかったものの、ワールドプレミア時の報道によると、イタリア本国をはじめとする欧州では、まず左ハンドル車から2026年前半に生産開始されるとのこと。今後の続報に注目していきたい。




















































