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フェラーリ「アマルフィ」が日本初公開!V8FRクーペ「ローマ」後継モデルとして5年ぶりのフルモデルチェンジ

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実(TAKEDA Hiromi)

ローマからの正常進化で向上したパフォーマンス

新生アマルフィの形式名は「F169MM」とのこと。グラマラスかつエレガントなプロポーションから見ても「F169」であるローマの大規模改良版と見て間違いあるまい。

ただしエクステリアについては、フラヴィオ・マンゾーニ氏の率いるフェラーリ「チェントロ・スティーレ(デザインセンター)」が、ほぼすべてのボディパネルを新たにデザイン。マンゾーニ氏が掲げる「複雑さを一切排除したシンプルさこそが、そのクルマを永遠に愛されるものにする」という信条のもと、流麗ながらミニマルなスタイリングとしつつも、12チリンドリ譲りの「可変アクティブ・ウィング」を活用して、LD(ロー・ドラッグ)/MD(ミディアム・ダウンフォース)/HD(ハイ・ダウンフォース)の3種類を自動的に切り替える「アクティブ・エアロダイナミクス」を採用するなど、最新鋭の空力パッケージを盛り込んでいる。

フロントに搭載されるパワーユニットも、ローマから継承されたV8ツインターボ3855ccの「F154B」系最新スペックのものでリア駆動となる。カムシャフトやブロックの軽量化を図ったほか、「296GTB」や「12チリンドリ」でも実績のある最新世代のエンジン制御システム、2基のターボチャージャーに施された新たなキャリブレーションなどの相乗効果により、最高出力はローマの620psから640psまで高められている。

その結果、トランスミッションは8速ATを組み合わせることで、最高速度こそローマと同じ320km/hにとどまりながらも、0-100km/h加速は0.1秒短縮された3.3秒をマークするとのことである。

ローマからの「デュアル・コックピット」コンセプトを強化

いっぽう、フェラーリでは「ビークル・ダイナミクス」と称するシャシーについてもローマの基本設計を維持しつつ、新たにブレーキを電子制御する「ブレーキ・バイ・ワイヤ」を採用。6Dセンサーにより高い精度で車速を測定し、各輪の最適なスリップ値を特定する「ABS Evo」システムと併せて、制動力を最適分配するという。

またインテリアでは、ドライバーの正面に15.6インチのデジタル式インストゥルメントクラスターを備えるほか、インパネ中央に10.25インチのタッチパネルディスプレイを配置。さらに12チリンドリと同じく助手席側にもディスプレイを備え、ローマ以来となる「デュアル・コックピット」のコンセプトを強化した。ただ、ローマの特徴であった左右座席を分ける高いコンソールは廃され、助手席に座るパートナーとの「ドルチェ・ヴィータ」をより緊密なものとすることにしたようだ。

今回のプレゼンテーションでは、販売価格や日本でのデリバリー開始時期などについては明かされなかったものの、ワールドプレミア時の報道によると、イタリア本国をはじめとする欧州では、まず左ハンドル車から2026年前半に生産開始されるとのこと。今後の続報に注目していきたい。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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