若いときは給料のほとんどを愛車のローンに当てていた
毎月第1日曜日、早朝の東京都・奥多摩の駐車場では、数多くのいすゞ車が集結するという知る人ぞ知るモーニングミーティングが開催されています。今回はその会場にお邪魔して、素敵な車両をピックアップしました。いすゞ車を語る上で欠かせない「117クーペ」です。今回は若い頃に117クーペに乗っていたオーナーが、約47年ぶりにカムバックを果たした1台を紹介。この美しいシルバーの117クーペを手に入れた理由を伺いました。
数ヶ月しか生産されなかった丸目4灯の5速マニュアル車
「若い頃に中古で117クーペのXTに乗っていたことがあるんです。今から47年ほど前のことです。乗っていたのはせいぜい4〜5年ほどですね。当時は給料のほとんどがクルマのローンという生活でしたが、楽しかったですね。で、今から4年ほど前にこのクルマを買って約40年ぶりにカムバックを果たしました」
そう語るのはオーナーの新倉さん。彼が乗るのは1977年式のXCで、丸目4灯の中期型最終期のモデルである。エンジンはインジェクション仕様の1.8Lで、この1977年式から全車に5速マニュアルが搭載された。ちなみに同年末には角目4灯モデルとなるため、丸目4灯モデルの5速マニュアル車はわずか数カ月のみの設定。トランクリッドには誇らしげに「5SPEED」のエンブレムが備わっているのが特徴だ。
理想のスタイルを目指してカスタマイズ
購入当初には別のホイールが装着されていたそうだが、新倉さんの好みでクロモドラ製に交換。さらにベレットGTミラーやナルディ製のステアリング&シフトノブもこの時に交換した。ブルーファブリックの内装は購入当初からで、非常にコンディションが良い。ドアパネルにはビニールが張られており、その上にステッカーを貼っている。ボディは前オーナーが同色で外装のみリペイントしており、非常に美しい状態をキープしている。
足まわりはイスズスポーツのサスペンションでフロントをローダウンして、純正状態で見られる尻下がりの姿勢を補正。こうして新倉さんの理想のスタイルとなった1977年式XCで、約40年ぶりの117クーペライフを楽しんでいるというわけだ。
乗り込むほどに40年前当時の記憶が蘇ってくる
購入当初はエアコンが壊れたり、ヒューズが頻繁に切れたりとひととおりのトラブルに見舞われた。そのほかにも水温がなかなか下がらないという症状にも悩まされたそうだ。しかし4年が経過した現在ではトラブルはすべて解消し、非常に好調な状態を維持している。
「117クーペって当時はスポーティなモデルで価格も高かったし、他のクルマに比べて高性能でした。当時乗っていたのもXTとはいえスポーティでした。そんな117クーペに40年ぶりに乗ってみた率直な感想は、『思ったよりパワーないな』でした。現代のクルマと比べるとブレーキも効かないしね。でもドライブしているうちに当時の記憶が蘇ってきて、すぐに感覚を取り戻しました。パワー不足も気にならないし、運転していて本当に楽しいです」
























































