贅を施した快適なラグジュアリーモビリティを作り上げる高級素材
アコーディオン式床下収納により、足もとには手荷物やペットの収納が可能で、後方からスライドしてくる冷蔵庫やランプと合わせて、テールゲートを開放すれば即席のピクニックスペースとしても利用可能だ。トランクが屋外ラウンジへと変貌する、まさにベントレー流の「ラグジュアリーモビリティ」なのだ。
内装素材においても、英国の伝統工房との協業により最上級のクラフトマンシップが発揮されている。例えば、フォックス・ブラザーズ社による100%ウールのダムソンオムブレ生地や、ゲインズボロー製のジャカードシルク、アクリルに封入された織金属素材のアクリルクチュール、3Dプリントのチタンパーツなどが採用され、サステナブルかつハイテクな素材選びが光る。いずれも軽量化と廃棄物削減に貢献する。
UX面ではデジタルとアナログを融合させたマジカルフュージョン思想が新たに導入された。全面デジタルダッシュボードは必要に応じて物理的なウッドパネルに切り替わる仕様で、メカニカルマーベルと名付けられたマルチ計器が情報と美を両立している。また、インテリアには「翼のジェスチャー」「堂々たる質感」「包み込む空間」「象徴的ディテール」といったデザイン要素が盛り込まれ、ドライバーと乗員に心地よい時間と空間を提供する。
パワートレインに関しては詳細なスペックが非公表だが、EXP 15はフル電動のAWDグランドツアラーとして設計されており、長距離走行に適した航続距離と高速充電性能を前提として開発されている。ベントレーらしい「静かなる威厳」とパフォーマンスの共存を目指しており、未来のラグジュアリーEV市場における先駆的存在となる可能性を秘めている。

【AMWノミカタ】
今回発表されたEXP 15は、ベントレーが次なる時代のグランドツアラーに向けて示した象徴的なビジョンだ。伝統の継承と未来技術の融合というアプローチは、差別化の難しいEV時代におけるラグジュアリーブランドの在り方を再定義するものである。
EXP 15は販売を目的としないコンセプトでありながら、2026年登場予定のフル電動車へのデザイン的・機能的布石となるエッセンスが盛り込まれたモデルだという。創立100周年のときに発表された電動コンセプトカー「EXP100GT」とはデザインも大きく異なり、その姿はロールスロイスのスペクターやジャガーのタイプ00に近い印象を受ける。
ベントレーは「高級車メーカー」から「革新的モビリティブランド」へと進化すること、そしてまったく新しいセグメントで世界初の真のラグジュアリーアーバンSUVを創造することを約束している。このEXP15のエッセンスがどれだけ盛り込まれた完成車が登場するか楽しみではないか。


































































