マイルドハイブリッドだが積極的にEV走行させる制御で省燃費化
JEEP初のマイルドハイブリッドの燃費も含めた実力や新たな魅力を見させてもらおうと、都内から岐阜県高山を抜けてさらに福井県の東尋坊、石川県小松市にある日本自動車博物館などに寄っての往復1000kmを越える試乗してみた。長距離試乗の意義は、さまざまな走行環境を走れることにある。それゆえ高速道路は全走行距離の半分以下に抑え、街中、郊外路、ワインディングまで種々の道を走らせてみた。
ドライバーズシートに座り、思わず笑ってしまうのがセンターの10.1インチタッチパネルモニター。このタブレット型モニターを従来のモニター枠の上にそのまま貼り付けたように見えることだった。しかし、以前のモデルと比較すると、枠は新たに起こしたもので上面にはジープ顔のアイコンを掘ってあるなど「あそびごごろ」も忘れてはいなかった。ナビはアイシン製となり、起動時には「AISIN」のロゴがモニター大きく表示される。

メーターも10.25インチのマルチビューディスプレイを採用したことで、表示項目の自由度が増していること、さらにステアリングも新形状でスッキリさせつつ、ステアリングスイッチの操作性も向上させている。
肝心のハイブリッドの性能と制御は、発表資料では静止から15~20km/h前後までモーターによるEV走行が可能となっているが、実際にはメーター上のバッテリー残量がゼロから数えて5分の2セグメント以上では、穏やかに加速させていくとは約40km/h超までエンジンは始動しない。平坦路での巡航に近い状況では60km/h以上でもEV走行に切り替わるか、その上でコースティング的な制御となることも少なくなかった。
渋滞時や車庫入れなどで、モーターだけで静々と動くe-クリーピングがラクで重宝した。負荷に応じエンジンをモーターでアシストする領域も思ったよりも広く、マイルドハイブリッドといいつつも、モーターの効力をなるべく多く引き出す制御である。
回生ブレーキの制御には慣れが必要だがパドルシフトの使い勝手は良好
ただ、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)との組み合わせゆえに、加減速時の変速によるメリハリ感といった長所がある一方、走行中のエンジンの停止、EV走行への切り替わり、そして再始動といった動きに伴うトルク変動、その際の適切なギアとエンジン回転合わせなどの要素から、どことなく前後Gが揺らぐ動きも伴いがちだ。
ステランティスにおける新世代の直列3気筒1.2Lターボ48Vマイルドハイブリッドエンジン載せるフィアット600Xやアルファロメオ・ジュニアなどにおいても同様の前後の揺動は感知されるところからしても、このシステムとしてある程度許容しているところなのかもしれない。
もうひとつ、フットブレーキの回生協調制御においては、回生域から本来のブレーキへの切り替わりで減速度が急に増しがちなところは、もう少し洗練させたいと思った。
一方で、7速DCTにパドルシフトが与えられていることで、ダウンシフトによるエンジンブレーキと回生による任意の減速度を得やすいことから、コーナー入り口やワインディングなどではもちろんだが、長い下り勾配などで前走車との車間調整などにも活用しやすく、重宝させてもらった。














































