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冬用タイヤ規制もパスできてスポーティな走りも両立するオールシーズンタイヤ!ミシュラン「クロスクライメイト」が進化した

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TEXT: 高橋アキラ(TAKAHASHI Akira)  PHOTO: MICHELIN

夏用スポーツタイヤと同じ素材と構造を採用するクロスクライメイト3スポーツ

早速とこの2タイプのオールシーズンタイヤ「クロスクライメイト3(以下CC3)」をウエットハンドリング路、高速周回路でのスラローム、レーンチェンジ、ハーシュネスを、そしてウエットでの短制動といった項目でテスト走行を行なった。先に結論を言ってしまえば、あまりの高性能ぶりに驚かされたのひと言だ。

ウエット路面でのハンドリングテストはフォルクスワーゲン・ゴルフ8にCC3スポーツと先代モデルのクロスクライメイト2(以下CC2)がそれぞれ装着され、比較を行った。

どちらも非常に高いグリップ性能があり、自分の想像よりも高いグリップ力を発揮し、夏タイヤ、それもスポーツ系タイヤに劣らないイメージだ。そこで旋回速度を上げてテストするとCC2ではESCの介入する場面がところどころで現れる。しかしCC3スポーツではまだ余裕があるようで、とくに変化なく高い旋回スピードでコーナリングができたのだ。

このCC3スポーツは期待以上の性能だったが、開発エンジニアに話を聞くとダイナミックレスポンス・テクノロジー技術が使われており、これはキャッププライがアラミドとナイロンの複合材で、夏用スポーツタイヤのパイロットスポーツ5とまったく同じ素材、構造を持っていることがポイントだという。

これにクロスクライメイト専用のトレッドデザインと、新規開発したコンパウンドで構成。パイロットスポーツ5と同じ構造を持つために接地面形状の変化が起こりにくく、操舵応答性やグリップ力、剛性感などがスポーツモデルにマッチするオールシーズンタイヤというわけだ。

静粛性に優れレーンチェンジも正確なクロスクライメイト3

高速周回路ではカローラツーリングにCC3を装着して走行。印象は全体にまろやかでコンフォートタイヤと言えるほどしなやかな乗り心地だと感じる。走行音は静かで、タイヤからの音と特定できないほどロードイズは低い。そして80km/hでのレーンチェンジでは、タイヤのしっかり感があり、安心して操舵できる。オールシーズンタイヤ特有の、ハンドルを動かしたときのグニャッとするあの感覚はまったくない。

そして最後がウエット路面での短制動テスト。これは新品のCC3と残り溝2mmまで人口的に削ったCC3との比較テストだ。路面には水が浮いている状態で80km/hからの急制動。ABSを働かせてのブレーキングで何mで停止できるか3回計測した。

新品のCC3はブレーキペダルを踏んだ瞬間から強い制動Gが出て、停止するまで一定の減速Gが継続した。それに対し、残溝2mmはブレーキを踏んだ瞬間、スーっと滑り出す感覚のあと減速Gが立ち上がり、停止まで続くという違いがあった。

じつは、このスーっと滑る感覚はすべての摩耗タイヤで同じ現象になるが、そこから減速Gが立ち上がり制動感が強まるタイヤはほぼないというのだ。

ところが、CC3ではその現象を体感できている。なぜCC3では減速Gが立ち上がるのかを聞いてみると、センターグルーブをはじめ、排水用の溝の形が一般的にはV字系にデザインされているが、CC3はU字型でデザインしていることにポイントがあるという。

つまり、V字型だと摩耗すれば溝の幅が狭くなり、溝も浅くなるため、排水性能が落ちる。ところがU字型であれば、摩耗しても排水性は溝の深さの分だけ落ちることにとどめることができるというわけだ。

こうした搭載技術の違いにより、ミシュランはタイヤを最後まで使い切れることを目標に開発。サスティナブルモビリティの実現を掲げ、こうした製品開発をすることで、製品や資源の価値を可能な限り長く保全・維持するサーキュラーエコノミーを踏まえたサスティナブルな社会への貢献を目指しているということだ。

<サイズラインアップ>

クロスクライメイト3
・ホイール径:16〜20インチ
・タイヤ幅:195〜285
・扁平率:35〜65

クロスクライメイト3 SPORT
・ホイール径:18〜21インチ
・タイヤ幅:205〜295
・扁平率:35〜55

 

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