2025年大会には3名の日本人ドライバーが参戦
2025年の第103回大会には全73台がエントリーし、その中に日本人ドライバー3名が名を連ねた。
■神子 力(かみこ ちから)選手
No.34 日産パルサーGTI-R(1991年式)
昨年はマシンの輸送トラブルで参戦を見送ったが、今回は無事に渡米し、34年ぶりにパルサーでの挑戦となった。
■吉原 大二郎(よしはら だいじろう)選手
No.59 ホンダCR-V e:FCEV(2025年式)
カリフォルニア在住のドリフトレーサーで、2019年にパイクスピーク・デビュー。今回は、パイクスピーク史上初となる燃料電池車での挑戦に注目を集めた。
■吉岡 稔記(よしおか としき)選手
No.91 トヨタGRスープラ(2020年式)
ミシガン在住のドリフトレーサーで、パイクスピークは2014年以来の参戦。T-RADレーシングからの出走となった。
予選トップはアンリミテッドクラスのファッジオーリ選手
予選は3日間の練習走行のうち、ロア・セクションでのタイムが採用される。ここで最速を記録したのは、アンリミテッドクラスに参戦したシモーネ・ファッジオーリ選手(No.55/2018年型ノヴァ・プロトNP01 Bardahl)で、タイムは3分33秒757。ロメイン・デュマ選手(No.310/2025年型スーパーマスタング・マッハE)は3分34秒073で2番手につけた。
日本勢の予選タイムは以下の通り。
- 吉原選手:5分35秒382(エキシビジョンクラス)→決勝ではトップバッター
- 吉岡選手:4分17秒563(タイムアタック1クラス)→30番手スタート
- 神子選手:5分15秒129(パイクスピーク・オープンクラス)→68番手スタート
決勝は強風のため距離短縮
決勝当日は天候こそ良好だったが、山頂付近で風速36.7mを超える突風が吹き、コースの短縮が決定された。2021年以来となる措置で、スタートからグレンコーブ(標高3487m)までのロア・セクションで決勝レースが行われた。スタート時間も遅れ、午前10時7分にようやく競技が開始された。
日本人最速は吉岡選手
結果として、日本人3選手は全員完走を果たした。
- 吉岡選手:4分31秒257(タイムアタッククラス5位/総合23位)
- 神子選手:5分23秒828(オープンクラス24位/総合65位)
- 吉原選手:5分55秒744(エキシビジョンクラス3位/総合69位)
なお、全73台中3台がゴールに到達できず、完走車は70台であった。
パイクス参戦2回目のファッジオーリ選手が総合優勝
2025年大会を制したのは、アンリミテッドクラスに出場したシモーネ・ファッジオーリ選手。タイムは3分37秒196。パイクスピーク2度目の挑戦で、見事「キング・オブ・ザ・マウンテン」の称号を獲得した。
ファッジオーリ選手は2018年にノーマM20(Norma M20 SF PKP)で初参戦し、当時ルーキーながら8分37秒230で完走し、総合2位に食い込んだ実力者。その後はランボルギーニ「ウルス」のタイムアタックにも関与し、今回ついに最速記録保持者ロメイン・デュマ選手を打ち破る形で頂点に立った。ちなみに、9分を切ったことのあるドライバーは、これまでに5名しかいない。








































