OAMからトヨタ神戸自動車大学校のブースを紹介
インテックス大阪を会場に2025年2月7日(金)から9日(日)まで開催された大阪オートメッセ2025(OAM)。351社・630台もの多彩なジャンルのクルマが展示された会場から、トヨタ神戸自動車大学校が展示していた1983年式トヨタ「パブリカ ピックアップ」をご紹介。鮮やかなプラズマオレンジのボディカラーは「GRスープラ」の100台限定モデルのものでした。
2代目パブリカ ピックアップは隠れた長寿モデル
大阪オートメッセ2025(OAM)会場の西ゲートから入ってすぐの1号館の入り口付近に、小さなボンネットトラックが展示されていた。
一見すると日産「サニートラック」にも見えるこの車両を出展していたのは、トヨタ神戸自動車大学校。つまりこの車両はサニートラックではなく、トヨタの「パブリカ ピックアップ」というモデルだ。
「パブリカ」とは1961年にトヨタのエントリーモデルとして登場したコンパクトカーで、今回のピックアップのベースとなっているのは1969年にリリースされた2代目モデル。見た目こそサニートラックに似ているが、「カローラ」よりも下のクラスであるパブリカがベースとなっているため、じつはボディサイズはサニートラックよりもパブリカ ピックアップの方がひと回り小さいサイズとなっている。
そんなパブリカはその後、「スターレット」から「ヴィッツ」、そして「ヤリス」というコンパクトカーの系譜の祖となったわけだが、パブリカ ピックアップはP70系スターレットの時代である1988年まで継続販売が続けられていた隠れた長寿モデルとなっている(ベースの2代目パブリカは1978年に終売)。
荷台までまるで新車のようなコンディションで復活
ただ長寿ではあったものの、働くクルマとして酷使されることが多かったパブリカ ピックアップは傷みの激しい個体が少なくなく、トヨタ神戸自動車大学校がレストアした車両も1983年式と比較的高年式車でありながら腐食がひどく、とくに荷台はかなりダメージが進んでいるような状態だった。
しかし同校のエキスパートエンジニア科1期生と自動車整備・車体整備科6期生の手によってホワイトボディレベルまで分解されたうえで鈑金や溶接などでサビや腐食を補修し、2023年に100台限定で販売された「GRスープラ Plasma Orange 100 Edition」と同じプラズマオレンジで全塗装を行って新車のようなボディに生まれ変わらせている。
また腐食がひどかった荷台部分もしっかり補修を行ったうえで傷のつきにくいチッピング塗装を施して、再び悲惨な状態になりにくい処置を行っているのもポイントだ。
このようにすっかり往年の姿を取り戻したパブリカ ピックアップは、しばらくトヨタ神戸自動車大学校で展示保管される予定とのこと。
過去に同校がレストアした車両は、県内のトヨタディーラーに引き取られて現在も展示車両として活躍しているそうなので、このパブリカ ピックアップもいずれは新しいオーナーのもとに旅立っていき、元気な姿を維持し続けてくれることだろう。