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“24時間戦うクルマ”の歴史を一気に見られる!富士モータースポーツミュージアムで耐久レース企画展が開始

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

  • 1991年のル・マン24時間において、国産車として初優勝を飾ったマツダ787Bと1999年のル・マン24時間に 挑戦した“GT-One”の愛称を持つトヨタTS020。2台のル・マン・カー
  • 2階に上がり、エレベーターの扉が開いた先のメインステージに展示された童夢RL-81。雑誌の記事では見ることはあっても、実車を見る機会はほとんどないはずで、この1台を観るだけでも訪れる価値がある
  • プロトタイプカーの中、唯一展示されたGTカーのトヨタ・スープラHR-V 。ハイブリッド・システムを搭 載し2007年の十勝24時間レースで総合優勝を飾り、先駆けとなった
  • スープラに始まりル・マン24時間に勝利するまでになったレーシング・ハイブリッドの開発ヒストリー。 最後の1枚は2028年に登場予定の水素を使ったレーシング・ハイブリッドのコンセプトモデル
  • 日産のル・マン初挑戦は1986年。マーチの市販シャシーにVG30ツインターボエンジンを搭載。最新モデ ルの86G(呼称は日産R86V)はリタイアしたが前年モデルの85G(同日産R85V)は16位完走
  • 今回の企画展「耐久レースと日本 〜クルマを鍛えた進化の足跡〜」のコンセプトが記されたボード。ル ・マン24時間の象徴的なシーンを表すバックカットが印象的
  • 最新のトヨタTS050 HYBRIDと先駆けとなったトヨタ・スープラHR-V。2台のマシンが並ぶ最終ステージ は、レーシング・ハイブリッドの開発ヒストリーを紹介するコーナーともなっている
  • ル・マン24時間のマニアックなファンなら2階のエレベーター口から左手に向かいさらに左方、企画展の 主会場とは反対側にひっそりと佇む2008年のル・マンに参戦したオレカクラージュ LC70も見逃せない
  • 国産車として耐久レース参戦の先駆けとされた、1957年にオーストラリアを1周する豪州ラリー、通称“ モービル・ラリー”に出走したトヨペット・クラウンRSD。“レース”はともかく“耐久”には納得
  • 博物館の入口付近に展示された2台、1899年のパナール・エ・ルバッソール Type B2や1909年のトーマス ・フライヤー モデルLにも、耐久レースとの関わりを示すパネルが追加で用意されている
  • トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)の主戦マシン、トヨタTS050 HYBRIDは2016年に登場。毎年ブラッ シュアップを重ねて進化を続け、2018年にはトヨタとして30年来の悲願であったル・マン優勝を実現
  • 企画展「耐久レースと日本 〜クルマを鍛えた進化の足跡〜」のタイトルボードに並ぶトヨタ・童夢85C- L。奥には日産R85Vも。耐久レースファンやル・マン・フリークには堪らないシチュエーションだろう
  • 第一次石油ショック以降ワークス活動を事実上休止していたトヨタが1985年にはトヨタ・童夢85Cで耐久 レースに本格参戦。こちらは同年のル・マン24時間に出場した同型車で童夢チームの85C-L

「耐久レースと日本」企画展は2026年3月31日まで

長引いた猛暑もようやく収まりを見せ始め、世界耐久選手権(WEC)の日本大会、富士6時間レースのレースウィークを1週間後に控えた9月18日。富士スピードウェイに隣接する富士モータースポーツミュージアム(FMM)で企画展「耐久レースと日本 ~クルマを鍛えた進化の足跡~」が始まりました。長時間レースを戦ったレースマシンの姿が間近で見ることができます。

日本車の耐久レース挑戦史を辿るために重要なマシン5台を展示

近年、国内外の多くの自動車メーカーや部品・用品関連メーカーから

「クルマはレースで鍛える」

というコメントが聞かれます。富士モータースポーツミュージアム(FMM)で2025年9月18日〜2026年3月31日に行われている企画展「耐久レースと日本 ~クルマを鍛えた進化の足跡~」では、その言葉どおり、日本車が世界の耐久レースに挑戦してきた歴史にスポットライトが当てられています。

企画展として展示されるマシンは、ル・マン24時間レースに参戦した童夢「RL-81」(1981年)、トヨタ「童夢85C-L」(1985年)、日産「R85V」(1986年)の3台と、2007年の十勝24時間レースで総合優勝したトヨタ「スープラHR-V」、そして2019年のル・マン24時間レースで総合優勝したトヨタ「TS050 HYBRID」です。

1980年代にル・マン24時間レースに挑戦した童夢&トムスと日産のグループCカー

エレベーターで2階に上がり扉が開いた先のメインステージには、企画展のテーマパネルとともに童夢RL-81が展示されています。スポーツカー作りを目指して設立された童夢の処女作、童夢-零をベースにしたグループ6プロトタイプカー「童夢-零RL」の後継モデルです。1980年の童夢 RL-80を正常進化させたRL-81は、ブレーキをサイズアップするなどの改良が見られましたが、エンジンのパワー不足に苦しみ、予選は20番手に留まりました。決勝でもエンジン不調からリタイアに終わっています。今回展示されているのは、1981年のル・マンに出場した個体そのものです。

童夢RL-81を右手に見ながら進み、その先を右に曲がると、正面奥にはトヨタ 童夢85C-Lと日産R85Vが鎮座しています。

トヨタ 童夢85C-Lは、童夢が設計してトムスが製作したグループCカーです。第2世代となった84Cの正常進化版が85Cで、ル・マン24時間レースではル・マン仕様を意味する85C-Lと名乗っていました。トヨタにとっては、これが本格的なル・マン24時間レース参戦の第一歩となり、トムスの車両が12位で完走を果たしました。展示されているのは、童夢チームからエントリーされた同型車で、残念ながらこちらはリタイアに終わっています。

もう一方の日産R85Vは、1985年にマーチの市販シャシー「マーチ 85G」にVG30ターボエンジンを搭載して国内戦にデビューしました。翌1986年にはエンジンをツインターボに強化してル・マン24時間レースにも初参戦しています。展示されたモデルは、同年のル・マン24時間レースで16位完走を果たした個体そのものです。

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