’80年代に本格ラリーで戦っていたふたりがノートe-powerで参戦
タイムを競うデイラリーであっても、登り下りのルートは多く、参加ドライバーにとっては愛車エンジンの特性を五感で感じながらクルマ操作を楽しめるモータースポーツである。低速時のトルク性能もありそうな日産オーラで参戦する田中さんにデイラリーの楽しさについて聞いてみた。
「ナビの言うことを聞いてベストな走りを尽くしているだけ。林道での走行にも、勝ち負けにも、なんらストレスもなく競技展開を楽しめています」
日産 マーチRや三菱ミラージュでスピードを競うラリーも走っていた経歴もある田中さんは、モータースポーツにおけるe-powerの走りも満喫していた。
コドライバーの湊さんは、じつは強豪ドライバーがひしめきあった1980年代の全日本ラリー選手権で、大型新人として注目を集めた片岡良宏選手のコドライバーとして「ペースノート読んで右だ左だと言ってましたよ」という、バリバリに速さを競っていた人であった。
湊さんは
「デイラリーもやれば楽しいんですけど、やるまでに漕ぎ着けていない人が多いのかもしれません。若い人には今話題になっているスピード争いのWRCを知ってラリーに興味を持つ人も多いでしょうけれど、誰でもすんなりと参加できるこのラリーはあまり知られていないようで、残念です。昔は競技車にけっこうお金を注ぎ込んでラリー参戦していたんですが、デイラリーはノーマルタイヤでも楽しめる。若い方も簡単に参加できるデイラリーは、やってみればそれだけでラリーの楽しさがわかるんですけどね」と語る。
愛猫ミミとのトリプルオール女子クルー
今回のデイラリーにはもうひとつ「トヨタ クラウン With ミミ」という惹きつけられるエントリー車名があった。普段は社用営業車のトヨタ クラウンで参戦となった山崎浩子/加納ゆかり組である。
後部シートは愛猫「ミミ」のキャリー態勢を整えての参戦となった、トリプルオール女子クルーであった。ラリー参戦期間中、いつもはミミの面倒を見てくれる家人が急遽予定が立たず、ミミひとりで留守番させてはおけない事情となり、助っ人としていっしょに参加することになったとのことだ。
デイラリーには、1台に乗車定員数までのクルーが同乗参戦できるという競技ルールがある。まったくのラリービギナーでもお気軽にリアシートから、フロントにいるクルーたちの実戦を見学しながらの参加もできる。それを象徴するかのような「With ミミ」であった。
占有されたスペシャルステージのルートを飛ばして走るSSラリーには迫力というカッコ良さがあるが、アベレージ走行をこなして正確なタイムを競うデイラリーは、はたから見れば穏やかな安全走行だ。しかしながら、どちらもそれぞれの競技ルールのもとクルマを使ってタイムを競い合うモータースポーツである。切磋琢磨をともない、常に参加者を楽しませてくれるのだ。高級なボールなど必要のないサッカー同様、手軽に普段使いの愛車でラリーを楽しめるのが、このデイラリーである。














































