生産後すぐにアメリカへ渡った希少なティーポLのヨーロッパ仕様
ちなみに246GTには仕様によって、「ティーポL」、「ティーポM」、「ティーポE」の3タイプが存在するが、今回RMサザビーズがモントレー・オークションに出品したのは1969年から1970年にかけて生産されたもっとも初期型のティーポLである。ホイールがセンターロック式であることがこのティーポLの外観では最大の特徴だ。ただし、スピンナーは206GTとはデザインが異なっている。
出品車の246GT ティーポLは、「00908」のシャシーナンバーを持つもので、1970年6月8日にマラネロ工場でのアッセンブリーが終了したことが記録されている。ボディカラーは「ロッソ・キアーロ(明るい赤)」、またインテリアは「ネロ(ブラック)」のビニール製だった。
ヨーロッパ仕様として生産された「00908」にはキロ表示のスピードメーターが装備されていたが、フェラーリから出荷されるとすぐに、アメリカのネバダ州リノに住むカジノ王、ウィリアム・ハラー氏が経営するモダン・クラッシック・モーターズを経由してオレゴン州のカスタマーへと売却された。その後はカリフォルニア州で複数のオーナーの手に渡ることになる。
1998年には同州のフェラーリ・スペシャリスト、フランコルシャン・オブ・アメリカで、7年という時間をかけて完全なレストアが施された。この時、エンジンとミッションのナンバーマッチングも確認されている。鮮やかなイエローのボディと、ネイビーのインテリアにカラーが改められたのもこの時である。
レストアが終了した後には、フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカが主催するイベントなどで、数多くのプライズを受賞した「00908」。RMサザビーズがオークション前に提示したエスティメートは40万ドル~50万ドル(邦貨換算約5887万円~7359万円)というものだった。
ディーノ246GTの中でもわずかに357台しか存在しないLシリーズということもあり注目度は高く、最終的にそれは43万4000ドル(邦貨換算約6388万円)という金額で落札されている。まずは順当なリザルトといったところだろう。















































































