じわじわとスーパーカーらしい価値が高まり始めている
ランボルギーニのV12ミッドシップ系譜を語るうえで欠かせない「ムルシエラゴLP640」が、2025年10月に開かれた「ザウテ・コンクール・オークション」で注目を集めました。今回取り上げるのは、ムルシエラゴのなかでもアラブのロイヤルファミリーが所有していた極上仕様、極上コンディションの2007年モデルです。車両のあらましとオークション結果をお伝えします。
アウディ傘下になって初の新型V12ミッドシップスーパーカー
V型12気筒エンジンをミッドシップするスーパーカーは、まさにランボルギーニというブランドを象徴するプロダクトである。現行モデルは運動性能と環境性能を高水準で両立させるためにPHEVシステムを導入した「レヴエルト」だが、そのヒストリーは「アヴェンタドール」「ムルシエラゴ」「ディアブロ」「カウンタック」「ミウラ」へと順にさかのぼることができる。
ムルシエラゴがディアブロの後継車としてワールド・プレミアされたのは、2001年のIAA(フランクフルト・ショー)でのことだった。ディアブロよりもさらにサイズが拡大されたボディは、当時アウディのスタイリング・センターに在籍したルーク・ドンカーヴォルケのデザインによるもの。ちなみに彼は、後に先日創設20周年を迎えたランボルギーニ・チェントロ・スティーレの初代チーフ・デザイナーともなった人物である。
エアロダイナミクスはディアブロからさらに改善され、可変式エアインテークの機能を持つリアクオーターパネルがオープンした時には、あのカウンタックの姿をイメージさせられたファンも多かっただろう。テールランプの造形にもまた、カウンタックとの強い類似性が感じられる。
初期のムルシエラゴは、580psの最高出力を発揮する6.2LのV型12気筒DOHC48バルブエンジンを、6速MTと組み合わせて誕生した。駆動方式はビスカスカップリングをセンターデフに使用した4WDのみとなった。2004年にはeギヤと呼ばれる6速セミAT仕様も追加設定されたほか、オープンモデルの「ロードスター」も登場している。
だがランボルギーニは、ムルシエラゴの進化をこれで終わらせることはなかった。2006年になるとビッグマイナーチェンジ版となる「LP640」を発表(同年にはLP640ロードスターもリリース)。今回ザウテ・コンクール・オークションに出品されたのは、このLP640の2007年モデルのeギヤ仕様である。
























































































































