15年前に手放した愛車と同一モデルを再び購入
千葉県佐倉市で開催された「サクラオートヒストリーフォーラム」では、スバル車の特別展示が行われ、多くの名車が並びました。そこで注目したのが、1980年代に“未来のクルマ”として話題となったスバル「アルシオーネ」です。まるで定規で描いたような直線的なデザインと、当時として画期的だったCd値0.29の空力性能は、約40年経った今でも強い存在感を放っています。今回は、そのアルシオーネを大切に乗り続けるオーナーの大場さんに話を伺いました。
アルシオーネのインパクトは小学生にも強烈だった
子供の頃に思い描いた未来のクルマのイメージは、年代によって異なるだろう。現在40代から50代の人たちは、きっとスバル アルシオーネに未来の自動車を感じた人が多いはずだ。直線基調のボディはなんとも未来的で、停っていても速そうな雰囲気を醸し出していた。今回はそんなアルシオーネに乗る大場さんにお話を伺った。
「このクルマは1985年式のVRターボで、デビュー当初のモデルになります。アルシオーネを最初に見たのは、小学校6年生くらいの頃で、札幌駅の近くを走っていたのを見てビックリしたのを今でも覚えてます。じつはこのクルマの前にも20年ほど前に、1990年式アルシオーネのデジパネとサンルーフ車に乗っていたことがあります。その後5年くらい乗って泣く泣く手放したんです。このクルマはたまたま近所の中古車屋にあって、試乗したら状態も良かったので、購入しました」
最先端のエアロダイナミクスの採用でCd値=0.29を達成
1985年に登場したアルシオーネは、定規を使ってデザインしたような極端なウェッジシェイプのボディを採用。スバル初となるリトラクタブルヘッドライトやフラットサーフェス化したドアノブなどので徹底的な空気抵抗の低減を行った結果、当時の日本車のベンチマークとなっていたCd値=0.3の壁を破る0.29を達成した。そのほかにも底面のフラットボトム化やリアアンダースポイラー、後端がリップ状に反り返っているハイデッキトランクなど、空力を意識した意匠は40年が経過した今でも決して色褪せていない。
このボディに搭載したエンジンは、同時代のレオーネと同じ1.8L水平対向4気筒ターボ。4WDのVRターボとFFのVSターボをラインナップした。ちなみにアルシオーネとは、スバルのエンブレムである六連星(プレアデス星団)のなかでもっとも明るい星の名前である。
イベント特別装備は苦労して集めた純正ホイールキャップ
大場さんの1985年式VRターボは、基本的にオリジナルペイントでオリジナルインテリアという状態の良い個体だ。足まわりは純正のエアサスペンションの不具合により、バネサスに変更している。フロントのバンパーのみ大場さんの好みで後期モデル用に交換。さらに普段は14インチアルミを履いているそうだが、イベント時のみ純正の13インチスチールホイールと、今となっては貴重な格子柄ホイールキャップを装着している。
「苦労して1枚ずつ集めたホイールキャップは、もう爪の部分が劣化していて、走行中に崩壊しちゃいそうなんで普段は履けないんです。今日もここに到着してからそーっと装着してます(笑)。ワイパーもワンアーム式で左側にブレードが来るし、灯火類もアメリカっぽいし、初期型モデルって基本的に北米仕様そのままなのも気に入ってます」




























































