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人類を救った大発明!3点式シートベルトの誕生と新たなる進化【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: VOLVO/AMW

新世代シートベルトの革新

そんなボルボが今、新たなシートベルトを開発したというニュースが届きました。

従来同様の3点式であり、基本的には身体をベルトで固定することに変わりはありません。しかし、今回の新技術は“固定の仕方”がひと味違います。

驚くべきは、乗員それぞれの体格や着座姿勢に合わせて、衝突時の締め付け具合を最適に調整するという点です。

現在のシートベルトには「ロードリミッター付プリテンショナー」という機能が備わっています。衝突を感知した瞬間にシートベルトを素早く巻き取り、身体を確実にホールドし、その後わずかに力を抜いて胸部への負荷を軽減するという仕組みです。

“ギュッと抱きしめ、すぐに少し緩める”──そんな絶妙な働きをする頼もしい相棒です。

ボルボはこの機能をさらに進化させました。背の低い子ども、体格の大きな成人男性、妊婦、負傷者など、あらゆる乗員の状態に応じて、最適な締め付け方を瞬時に判断し、作動させるのです。

まるで乗員ひとりひとりに合わせた“オーダーメイドの抱擁”のようなシートベルトだと言えます。

現時点では具体的な実験データは入手できていませんが、ボルボの技術である以上、確実な安全性向上に繋がることは間違いありません。「誰でも守れる」から「誰にでも最適に守れる」へ。シートベルトがとうとう次のステージに踏み出したと言ってもいいかもしれません。

「安全のボルボ」が持つ不変の信念

この新しいシートベルトは、ボルボが2026年に発売する新型車に搭載される予定です。

世界中のメーカーが電動化や自動運転に注力するなかで、“アナログでありながら決定的な安全装置”であるシートベルトの革新を忘れない姿勢こそ、まさに「安全のボルボ」と呼ばれるゆえんでしょう。

66年前の革命を起こしたメーカーが、もう一度「安全」を更新しようとしています。技術とは、このように静かに、しかし確実に人の命を守る方向へ進むべきものなのだと改めて感じさせてくれます。

これほど長い年月を経ても安全性の追求を止めない姿勢。その信念に、思わず胸のシートベルトをもう一段きつく締めたくなります。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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